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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/04 20:20:12

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「そう言えば、高原さんは久しぶりにさくらに会うんでしたね。」

貴司さんの言葉にギョッとしたけど、あたしは平静を保とうとした。

「…そうなるかな。」

「お腹大きいでしょう。触ってみて下さい。」

た…

貴司さんーーーーーー!?

何言ってんの!!

さわ…触るわけないじゃない!!

そんなの…

そんなの、拒否られるあたしが惨めになるから、やめてよーーーー!!


冷静に冷静に…って思いながらも、あたしの頬は引き攣ってたかもしんない。

貴司さんのバカ。

貴司さんのバカ。

貴司さんの…大バカーーー!!

ピクピクするまぶたを伏し目がちにしながら、何て言おうか考えてると…

「…じゃ、少しだけ。」

……

えっ!?


なっちゃん、お盆をテーブルに置いて…

あたしの隣に来ると…そっとお腹に手を当てた。

「……」

や…だよ…こんなの…

そう思う反面…

なっちゃんが…赤ちゃんに話しかけてくれてる気がして…

ちょっと、嬉しくもあった。


って…あたし、バカじゃない?

貴司さんの赤ちゃんを触られて嬉しいとか…

あたし、本当、大バカだよね!!


「あ。」

ふいになっちゃんがそう言って、つい…目が合った。

「動いた。」

「……」

目を見てそう言われて…な…泣きそうに…

…ならない!!

絶対泣かない!!

「もう、かなりヤンチャみたいなんですよ。」

「そうそう。蹴飛ばさないで~ってさくらが寝言で叫ぶぐらい。」

「えっ、あたし、そんな寝言を!?」

「言ってるよ。あと、くすぐったいからやめて~とか。」

貴司さんとお義母さんの言葉に、あたしは恥ずかしくなったんだけど…

なっちゃんは…

「あははは。」

声を出して笑った。

「……」

…そっか。

なっちゃんはもう…吹っ切ってるんだ…?

あたしの事なんて、もう…どうでもいいから、こうやってうちに来たり…笑ったりできるんだね…?

…そっか。そういう事か…。


「あは…はは…あたし、そんな寝言…恥ずかしいな。」

なるべく普通にしたかったけど。

ちょっと元気はなかったかも…


なっちゃんが帰って。

貴司さんとお義母さんとでお茶を飲んでると。

「…悪いね、さくら。」

貴司さんが言った。

「…何?」

「高原さんに会うのは、辛いんだろうって思うんだが…」

「……」

「私は、どうしてもあの人の笑う顔が見たくてね。」

…あたしに会って笑うとは限らないじゃない。

むしろ、凍り付いてるんじゃないの?

あたし、心の中で毒気付く。

「高原さんは何も言わないけど…娘さんから聞いた話だと、奥さんがかなり状態が良くないらしくてね。」

「…え?」

「いつも明るく振る舞っているようだけど…精神的には、随分追い詰められてるみたいだ。」

「……」

周子さんの…状態が悪い?

どういう風に?

すごく、聞きたい気がした。

だけど…あたしはもう…

「だから、私達にできる事なら…何でもしてあげたいと思ってしまうんだ。」

「何でもって…」

「あの人は、いつも一人だ。」

「……」

それは…何となく…あたしも感じてた。

なっちゃんには、バンドメンバーもいるのに。

瞳ちゃんだっているのに。

なぜか…

なっちゃんには、孤独なイメージがつきまとう。


「だからせめて…うちでは家族のように安らいで欲しい。」

「…そう。」

もう…あたしには、意見する事は出来ないって思った。

貴司さんとお義母さんは、何やら強力なタッグを組んでて。

すごく…なっちゃんに尽くしたがってる。

それは…


どうして?

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