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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/04 18:04:59

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「こー!!」

「こー!!」

聞こえるはずがない声が、事務所内に響いて。

俺はつい…ロビーをキョロキョロと見渡した。

すると。

「こっちだ。」

二階から、神さんの声。

そして、その足元に…

「こー!!」

両手を上げて、アクリル板越しに俺に笑いかけてるノン君とサクちゃんがいた。

つい笑顔になってしまう。

今も…覚えてくれてるなんて。


エスカレーターを上がると、二人は俺の足元に抱きついて。

「こー、げんきあった?」

「こー、かみのけ、のみたー。」

それぞれ、そう言った。

「ああ。元気だった。髪の毛伸びたよなー。切らなきゃなー。」

俺は二人の頭を撫でて、同じ目線までしゃがみ込むと。

「二人とも、大きくなったなあ。」

しみじみと…そう言った。

本当に、大きくなった。


「今日は同伴ですか?」

神さんを見上げて笑うと。

「…ああ。義母さんも知花も、少し休ませてやらねーとな。」

神さんは俺の笑顔が珍しかったのか…

少し意外そうな顔のまま、そう答えた。

…確かに、この子達に向ける笑顔は特別だと思う。

アメリカで色々辛かった時、常に癒してくれていた存在だ。


「あのね、しゃくね、おねーちゃんになゆの。」

サクちゃんが、キラキラした目で言う。

「もうすぐだな。楽しみだろ。」

サクちゃんにそう言うと。

「ろんも、おねーちゃんになゆー。」

ノン君も、隣でそう言った。

「おい。おまえはおねーちゃんになったらマズイ。おにーちゃんになれ。」

神さんがそう言ってノン君を抱き上げる。

「おにーちゃんも、赤ちゃん、あえゆ?」

「会えるさ。」

「じゃー、ろん、おにーちゃんなゆー。」

「そうしろ。」

その光景が微笑ましくて、つい眺めてると…

「あっ、しぇーん!!」

神さんの腕にいるノン君が、ロビーを見下ろして言った。

「しぇーん!!」

俺の足元にいるサクちゃんも、それに反応して手を振る。

そして、案の定…

二人に気付いたセンは、満面の笑みでエスカレーターを上がって来た。

「わー、大きくなったなあ。あっ、神さんお疲れ様です。」

「よお。」

「同伴ですか?」

俺と同じ事を言われた神さんは、苦笑い。

それから…

「いくちゃーん!!」

「しぇーこ!!」

「まこちゃー!!」

次々に来るうちのメンバーに、大声で呼びかけるノン君とサクちゃんは。

「あーん、もう。ちゃんと覚えてくれてるなんて、感激ー。」

聖子に抱きしめられたり。

「何かお菓子買いに行くか?」

陸に誘惑されたり。

「あっ、サクちゃん、何するんだよー。」

まこの靴下をずらしたり…

二階のエレベーターホールを、癒しスペースと化した。

そうやって和んでると…

「おっ、おまえら何やってんだ?会議始まるぞ?」

エレベーターから降りてきた高原さんが、眉間にしわを寄せた。

すると…

「なちゅ!!」

「……」

ノン君とサクちゃんが、高原さんに駆け寄る。

なちゅ?

つい、全員で顔を見合わせた。

高原さん…面識が?


「ああ、どうした。将来のための見学か?」

高原さんは二人をひょいと抱えると。

「双子ユニットでデビューするか?ん?」

二人の頬に軽くキスをして問いかけた。

「ろん、すゆー。」

「しゃく、なちゅと、とーしゃんと、にかいになゆー。」

「あはは。なんで咲華は二階になるんだ。」

高原さんが笑うと、神さんが。

「二階に上がりたくて仕方ないみたいなんすよね…」

苦笑いした。

「ああ、階段が急だから、危ないな。」

「そう。だから、憧れだけが膨らんで困ってます。」

その一連の会話を、俺達は全員で…複雑な顔をして聞いていたかもしれない。


高原さんは、知花の実の父親で…

ノン君とサクちゃんは、高原さんの孫という事になる。

この様子だと…

桐生院家にも出入りしている感じだ。

…長年寄り添っていた女性を…桐生院に…送り出したんだよな?

そこへ、出入りしてる…?


高原さんが二人を下ろして。

「早く会議室に行けよ?」

俺達にそう言ってエスカレーターを降りて行った後。

「…色んな愛の形があるからな。」

神さんの言った一言が。

どんな意味を持つのか…

俺達には、まだ理解できなかった。

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