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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/04 16:42:37

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12月になった。

今月末には、お母さんと姉さんが二人して出産する。

桐生院家、大家族になっちゃうなあ。

あたしは産まれてくる二人の赤ちゃんの事を考えると、楽しみで仕方なかった。

義兄さんが足繁く通ってたカナリアに、あたしも行ってみたりした。

どの子供服も可愛くて…

男の子でも女の子でも、あたしはこの服をお揃いで買っちゃう!!って、お気に入りも見付けてる。


義兄さんは一昨日まで二ヶ月ほど、渡米してた。

毎日毎日電話して来て、姉さんに体調どうだ?って。

…ほんっと…姉さん、愛されてるな…


その、義兄さんがボーカルをしてるF'sは、アメリカでのコンサートも成功させて。

来年以降に世界デビューをするらしい。

…うちに、世界的バンドのメンバーが二人いる事になっちゃうよ。

すごいな。

高原さんの戦略って言うか、義兄さんの言葉を借りると…

商売上手。

ほんと…すごいな…。


「麗。」

カバンを抱きしめて校門を出ると、声をかけられた。

振り向くと…

「話があんだけど。」

「……」

…陸さん。


どうして?

どうして、あたしに構うの?

もう…ほっといて欲しいのに…


あたし、気付いた。

陸さんの事、好きだから…

陸さんのちょっとした一言で、きっと…すごく傷付いちゃうんだ。

それに、あたし…織さんにかないっこない。

だから…

傷付きたくないから…

先に、嫌いになろうとしてるのに…


「そんな、怖い顔すんなよ。」

「……」

あたしは無言のまま、笑顔の陸さんに背中を向けて、スタスタと歩き始める。

もう、関係ない。

来ないで…って、言った方がいいのかな…

なんて考えてると…

「きゃっ!!」

なっ…ななな…何っ!?

あたし、陸さんに…荷物みたいにして抱えられてる!!

「やっ!!何すんのよ!!離して!!」

無理矢理車に押し込まれて…

「もう!!これって誘拐レベルじゃない!!」

あたしが叫ぶと。

「黙ってろ!!」

陸さんが…怒鳴った。

「……」

あたしは唇を噛みしめて…無言になった。

…何なのよ…

何なのよ…!!


車は静かに走り出して、あたしがうつむいたままでいる間に…陸さんのマンションにたどり着いた。

「降りろ。」

「……」

「早く。」

「いっ…」

陸さんに腕を掴まれて、車から降ろされる。

そして、強引に引っ張られながら…陸さんの部屋に。


「…さて。」

やっと離された腕を、大袈裟に擦った。

だって…本当に痛かったし…

…怖かった。

「座れよ。」

「……」

ゆっくりと、前に来た時にはなかったソファーに座る。

「…あん時は、本当に悪かった。」

「……」

「織から…話聞いた。」

「……」

「んで、すげぇ怒られた。」

「……」

…ふーん。

織さんに叱られたから。

織さんに、叱られたから。

織、さん、に、叱られた、から。

あたしに、謝る気になったって言うか…

織さんが叱らなかったら、謝る気にもならなかった…って事だよね。


…何なの?

何だか…情けなくなって来た。

陸さんは今も織さんが好きで。

あたしなんか眼中にないんだよ。

なのに、こんな事して…

バカみたい。


「…何か答えろよ。」

「…どうして…」

「あ?」

「どうして、いちいちあたしのことなんて気にかけるのよ。関係ないんだから、ほっとけばいいじゃない。」

「何でそうなるかな。」

「だって、そうじゃない。もう顔も見たくないほど嫌いになってたはずよ?こんなにしてまで謝る必要ないじゃない。」

「だから、あれは…」

「織さんに怒られたから謝るんなら、いいから。あたし、もう織さんとも会わないし。」

あたしはソファーから立ち上がって、玄関に向かった。

「待てよ。」

追って来た陸さんが、あたしの手を取る。

「安心してよ。もう、陸さんの生活には入り込まないから。」

「待てって。」

「あたしの事なんか忘れちゃ………」

突然、あたしが放ったはずの言葉が途切れた。

…え?

……何?

陸さん…と…あたし…

キス…してる。


あ…足が…震える…

「あ…っ…」

陸さんが、あたしの頭を抱えるようにして…

角度を変えた瞬間…声が出てしまって…

それが、すごく恥ずかしかったんだけど…

「…麗…」

陸さんは、あたしの頬を撫でて…

「…おまえ、可愛いな…」

そう言いながら…また唇を重ねた。


や…やだ…

頭では…そう思うのに…

陸さんの情熱的なキスが…あたしを動けなくした。

やだ…もう…立ってらんないよ…

足の力が抜けかけた時…

陸さんが、あたしを抱えて…隣の部屋へ。

「…麗…」

首筋に…唇が降りて来て…

あたし、少し戸惑ったけど…

「…陸さん…」

もう…抑えられなかった。

あたし…

やっぱり…

この人の事…

……好き。

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