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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/04 12:53:40

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朝から…いや、夕べ…

いやいや…

もう、三日ぐらい、こんな状態や。

緊張して、眠れへんかった。


今日は…廉のセレモニー。

めちゃくちゃ…久しぶりにテンパってる自分に気付いた。

…ははっ。

今更やなー。


けど、今日は特別な日やねん。

緊張なんか、して当たり前やんな。

そう思うたら、スッと楽んなった。

…この緊張の理由は…

アレや。

…涼が…

来る…かも…しれへんからやな。

来るとは決まってない。

あいつは…あの頃の誰とも、付き合いをやめてるらしいし…

…俺との事も…もしかしたら、汚点や思うてるかもやしな…


俺らが渡米するて決まった時。

涼も付いて来る言うてくれた。

もう、未来の事しか考えてなかったで…俺は。

涼と一緒んなって、家族んなって…って。


けど、涼は…

早乙女を捨てられへんかった。

…仕方ないんや。


頭ではそう思うても、辛かった。

そして、そんなにも涼が俺にとって大きな存在やった事にも…驚いたし、打ちのめされた。


あれから、死にもの狂いで頑張った。

廉と…絶対ビッグになってやるで。って…頑張り続けた。

せやのに…

廉が…死んで…


俺はまた、身体のどこかを切り取られた気になった。

もう…頑張れる気もせえへんかった。


…そんな時やった。

誠司から、連絡があったんは。

『…涼ちゃん、おまえの子供産んだんだぜ』

あの時は…言葉が出えへんかった。

俺の子供?

俺の…

て…

何でや。

なんで、俺に内緒で…


…そっか。

涼は、もう…俺とは別々に生きる道を選択したんやもんな。

そら…俺が知る権利もないな。


しばらくは、ヤケ酒の日々やった。

すると…ある日突然届いたエアメイル。


『はじめまして。早乙女千寿といいます。8歳です。浅井晋さんが、僕のお父さんだと聞いて、手紙を書いています』

何度も…何度も読み返した。

8歳とは思えへん、しっかりとした文章と文字。

それだけで…早乙女で厳しく育てられてるんやろな…て、感じた。

そして…

こんな俺を、父と認めてくれてるんが…嬉しかった。

…こんな俺じゃ、あかんよな。

ホンマ、あかんよな。

俺は…千寿の手紙に奮起して、ギターを弾き始めた。

ライヴやスタジオで出会った奴らと、TRUEを結成して…バンド活動を再開した。


千寿が10歳のお茶会サボって、誠司とギター買いに行ったとか。

ダリアのスタジオで、初めてアンプ繋げて弾いてビビったとか。

ええんかいな…早乙女君。て言いたくなるような手紙が、千寿から届く。

それが俺の励みになった。

俺の…俺と涼の息子が、ギターを始めた。

早乙女の息子として、それは許されへん事やないか思うても、俺には…それが糧でしかなかった。

涼に辛い選択をさせ続けた、身勝手な俺は…

ホンマ…とことん身勝手やな…て、何回もへこんだ。


千寿とは、会わんまま…時が流れて。

千寿がギタリストになる、て早乙女を勘当されたって話は、誠司から電話で聞いた。

アホな。

何、アホな事言うてんねん。

もう、すぐにでも帰国して、やめさせたかった。

けど、誠司に。

『父親として、見守ってやれ』

そう言われて…

俺は踏みとどまった。

が…

涼や、早乙女の家族には…申し訳ない気持ちでいっぱいやった。

俺と関わらへんかったら…

千寿には、家元っちゅう将来が約束されとったはずやのに…


勘当された千寿からも、連絡はあった。

バンドに入った。

すごいメンバーだ。

毎日が楽しくて仕方ない。

今までの千寿からの手紙とは、まったく違う文面やった。

音楽の事ばかりが書き綴られた手紙。

それは、俺をも笑顔にした。

ホンマ…俺の息子やな…て。


それから、千寿はSHE'S-HE'Sてバンドで渡米した。

そこで…

「千寿!!」

「親父!!」

家の前で…抱き合った。

なんや…二人して大笑いして…泣いた。

長い長い文通を経て、ようやく会えたんやから。


そこから、二人での生活が始まった。

二人で料理したり、ギターを弾いたり…

毎日、ホンマ…夢みたいやった。


一緒に暮らし始めて一ヶ月経った頃やったかな…

千寿が。

「…実はさ…これ…早乙女の誰にも話してない事なんだけど…」

ビールを片手に…うつむきながら言った。

「…俺…子供がいるんだ。」

それを聞いた時、俺は…ビールを口につけたまま、しばらく動けへんかった。

「…えーと…世貴子ちゃん…?」

その時、すでに婚約中の相手がおった千寿。

「いや…違う。でも、世貴子は知ってる。」

「……」

「…高等部の時に知り合った女の子で…妊娠を知って、家にも行ったんだけど…彼女は俺を受け入れてくれなかった。」

「……」

お互いの家柄と、千寿の夢を思って、相手が身を引いた。

そして、それは同じバンドのギタリスト、陸の双子の姉やったと聞いた。

彼女が同業者と結婚をした事。

どうしても、会う機会があって辛かった事。

それらを千寿は、飲みながら…淡々と話した。

…そうして、最後には…

「…親子して、避妊下手やな。」

俺がそう言うと。

「…そこかよ。」

千寿は呆れた顔をした。


…涼にも、涼の再婚相手にも。

それだけやない。

早乙女の一族にも。

そして…一番、千寿に。

どんなに辛い想いをさせたんやろ…て。

後悔せん日はなかった。


俺が、後先考えんと…涼を自分の物にしたがった罰や。

涼は俺を選んでくれるはずや。って…

何も疑う事もせんと…

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