ブログランキング9

いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

  • 記事数 2486
  • 読者 661
  • 昨日のアクセス数 35864

テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/03 20:50:04

  • 79
  • 0

「し…」

「陸、あたしもよ。」

「……え?」

「あたしも、陸を愛してる。」

「……」

陸の口から、言葉が出なくなった。

…そっか。

陸は…気付いてなかったんだ。


「ずっと昔から、陸だけを愛してた。」

「…織…」

陸が…あたしの頬に触れた。

「陸が、あたしを愛してることも…気付いてた。」

「…いつから…」

「さあ…いつからかな。」

絶対、口に出しては言えないはずの言葉だったのに。

あたしも陸も…どうかしちゃってる。


「でも、あたしたちは双子だわ。」

「……」

陸の唇が届きそうになって、あたしは言葉で制した。

陸はハッとした顔であたしから離れると。

「そ…うだよな…」

前髪をかきあげて…座った。

「あたしの中にも、いろんな想いがあったわ。誰になんて言われても陸への想いを貫くべきか…それとも、いっそ姉弟の縁を切るか…なんて。」

「…おまえ…それ…」

「本気で、そう考えてたのよ。でも、現実を見るとね…」

「……」

あたしはゆっくり立ち上がって。

「あの子、いいカンしてる。」

陸を見下ろして、笑った。

「あたしに、陸のこと好きなんでしょって。正直言って、慌てちゃった。」

「…帰んのかよ。」

「下で、環が待ってるの。」

「……」

…そう。

あたしの大事な…環が待ってる。

「環、知ってるの。」

「…え?」

「あたしが、陸を特別に想ってること。」

陸は驚いて立ち上がると。

「…環が?」

あたしの顔を覗き込んだ。

「ん。」

「ど…うして。」

「あたしのことだから。」

「……」

…環は…きっと知ってる。

だからさっきも…

少し、複雑な顔をした。


バカね。

行くなって…言えばいいのに。


「これで、あたしもスッキリした。」

あたしは…陸に笑いかける。

「…織。」

「ん?」

「…幸せか?」

「幸せよ。」

あたしの即答に、陸は少し寂しそうな顔をした。

だって…本当に…あたし、幸せだもん。


「陸、麗ちゃんと仲直りしなさい。あたし…あの子なら、あんたを任せられる。」

「…何だよ、それ。」

「女のカンよ。じゃあね。」

なるべく冷静な顔をして…陸の部屋を出た。


…言っちゃった…

スッキリした気持ちと…罪悪感。

小さく溜息をつきながら外に出ると…


「…環。」

環が、車から出てあたしを待ってた。

「車にいて良かったのに。」

あたしがそう言って環の腕を取ると。

「…外で待っていたかっただけさ。」

環は優しい顔で…あたしの前髪をかきあげた。

「…環…」

あたしはそのまま環の胸に顔を埋める。

あたし…

あなたが大好きよ。

誰よりも。


「…どうした?」

環が、あたしの腰を抱き寄せて…顔を覗き込む。

その目に…少しだけ、不安が見えた気がした。


ずっと…陸と二人きりだった。

祖母という名の他人が亡くなってからは、あたしと陸は…二人きりで話し合って、二人きりで決めて、寄り添うようにして生きて来た。

そんなあたし達が…

この世には自分達だけだ。って…思わないわけがなかった。

だからきっと、あたしと陸は…

お互いしか見えていなかったのだと思う。


「…愛してる。あたしには、環だけよ…」

そう言って頬にキスすると。

「…ふっ…本部に行く気が無くなった。」

環はそう言って…あたしの唇にキスをした。

「…浩也さん、我儘聞いてくれないかな…」

「どんな我儘だ?」

「…あたし、今日はこのまま…環とデートしたい。」

「……」

あたしの言葉に環は優しい目をして。

「一度本部に行って、報告書を書いたらそうしようか。」

額を合わせて…そう言った。

同じテーマの記事

コメント0

しおりをはさむ

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

9/26 編集部Pick up!!

  1. 子連れに謝罪され感じたこと
  2. 子持ちが羨ましくて退職を決意
  3. 荷物の上に座られてモヤモヤ

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3