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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/03 16:19:25

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門限五時を言い渡されて…

僕は少し途方に暮れながら、ルームに戻った。

「あら、まこちゃん。どーした?なんだか元気ないね。」

すぐに聖子にそう言われたけど…

「…そっかな?ちょっとお腹すいたからかも。」

僕は、そう誤魔化して笑った。


僕が鈴亜と出会ったのは…

うんと子供の頃なんだけど。

あの頃は、『光史君に妹が産まれた』ぐらいにしか思ってなかった。

両親と共にお祝いに行って…

まだベビーベッドに寝かされてた、小さな赤ちゃんを見て…

「良かった…本当におめでとう…」

って。

母さんが、やたら泣いてたのを覚えてる。

それ以降は…名前を聞くぐらいのものだった。

学校帰りの鈴亜ちゃんに会っただの、両親のいい所ばっかりもらってるね、だの…


僕はアメリカに行ってる間に…メンバーには内緒で、何人か女の子と付き合ったけど…

なんて言うか…

どの子もピンと来なくて。

今は音楽に専念しろって事なんだろうなあ。って気付いてからは、恋愛には見向きもしなかった。

音楽も恋愛…恋愛って言うか、飲みに行ってはナンパしてセックスする。みたいな遊び方をしてる陸ちゃんや光史君が、僕から見たらすごく大人に思えた。

…憧れはなかったけどね…


そんな僕が、鈴亜と恋に落ちたのは…


音楽屋の帰り。

僕が一人で歩いてると、目の前にハンカチが落ちた。

そこには、一人で歩いてる桜花の制服の女の子。

「落ちたよ。」

僕がハンカチを拾って声をかけると、その子はゆっくり振り返って。

「え?あ…ありがとうございま…あれ…?」

「…?」

まん丸い目で見られて、僕もつい…同じような顔をしたと思う。

すると…

「…まこちゃん?」

「え?」

「って…あ、ごめんなさい。いつも家族から名前聞いてるから、馴れ馴れしく呼んじゃった…」

「家族…?」

今度は、僕の方が丸い目をした。

「あ、鈴亜です。朝霧鈴亜。お兄ちゃんもお父さんもお世話になってます。」

そう言って…ペコリ。

…朝霧…鈴亜。

光史君の妹…

「あ…全然分かんなかったよ。僕が君に会ったのって、まだ赤ちゃんの頃だったから…」

僕が頭をかきながら言うと。

「ふふっ。あの頃と今と、どっちが可愛いですか?」

そう言って…すごく可愛い笑顔…

「……」

僕はつい素直に。

「…あの頃も可愛かったけど…今はキラキラしてて、もっと可愛いね。」

そう言った。

「…え…」

「…あ、なんか…軽く聞こえたかな…」

急に恥ずかしくなって、ソワソワしてしまうと。

「…すごく…嬉しい…」

「……」

「そんな事…言われた事ないし…」

鈴亜は…赤くなってうつむいた。

「……」

あー…

これって…

恋…だよ。


あの時、僕の胸の奥の方で…

何か、音がしたんだ。


…『ラ』の音だった気がする。

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