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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/02 21:57:07

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「人工授精?」

目の前のさくらは…キョトンとした顔だった。

誓と麗もそれで出来た子供だとは話したが…

あれ以降、子作りの話には触れなかった。

いきなりこんな話をして…さくらは…


「子供、作ってくれるの!?」

さくらは、私の予想外の反応をした。

「…それでよければ…だが…」

「いい!!貴司さんの負担にならないような方法で、貴司さんが作ってもいいって思ってくれるなら、それがいいー!!」

さくらはそう言って、正座していたベッドの上で飛び跳ねた。

「……」

私が罪悪感から無言でそれを眺めていると…

「あっ…ごめん…はしゃぎ過ぎだよね…」

さくらは動きを止めて、首をすくめた。

…さくらは、私の気持ちを読み取っているのかもしれない。

さくらに…触れたいが、触れられない事。

昔は…抱きしめる事は出来た。

高原さんの所に迎えに行った日も…私の胸に飛び込んできたさくらを抱きとめる事は出来た。

だが…今は…それさえ出来ない。

恐らく、さくらは高原さんのもの。という…私の思い込みがそうさせているのかもしれない。

高原さんに気持ちがあるさくらが、もし…私を求めてしまったら。

私は、さくらに幻滅してしまうだろう。

今、高原さんを想っていてこそのさくらを…私は大事にしたいと思う。

…あの時は、醜い嫉妬で追い出してしまったというのに…

今では、高原さんの人柄や人望、さくらを献身的に守り支えてくれていた愛…

それら全てに…惹かれてやまない。


「それで、病院なんだが…私が決めていいかい?」

「うん。決めていい!!」

「じゃあ…そういう事で…いいかな?」

私がそう言うと、さくらは目を潤ませて。

「貴司さん…ありがとう…」

…胸が…痛んだ。


だが…

子供が出来れば…

さくらはもっと喜ぶ。

私は、そのさくらの笑顔で…

全てを許される気分になってしまうんだ。

これで良かったんだ…と。


その翌日、私は早速病院を選んだ。

父が愛人を作るたびに、世話になっていたらしい産婦人科。

当時の院長はもう他界しているが、娘が継いで大きく人気のある病院になっていた。

…父は、何人の女に…ここで子供を産ませたのだろうか。


今はクリーンな病院となっているが…

当時の院長が脱税をしていた事。

それを知りながら、黙認して多額の寄付を続けていた父。

私とさくらの人工授精に関して…何か口出しされようものなら…

すぐに、その事実を突きつけてやろうと思ったが。

女医は…私の父の事を覚えていたのか、私に対して同情的だった。


かくして私は…

誰にも知られず。

さくらにも、病院側にも、何も不審に思われる事なく…


子供を授かる事が出来た。

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