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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/02 13:34:56

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「おかえりー!!」

和館からの長い廊下を歩いて、洋館のリビングに入ると。

海が跳びつくようにして駆け寄ってくれた。

「いい子してたか?」

抱えながら海に問いかけると。

「うん!!麗ちゃんに、空と志麻をしょーかいした!!」

海は、自慢げにそう言った。


「おかえりなさい。向こうは寒かった?」

織が俺の肘にかかったままのコートを取りながら言った。

「ああ…ただいま。…麗ちゃんて、海が捻挫させたっていう…桐生院さんの所の?」

「ええ。子守をしたいって、今日来てくれたの。」

「大丈夫なのか?」

「何が?」

「…色々。」

つい…職業柄、外の世界の人間を疑ってしまう。

「信用出来る子よ?」

だが…よく考えると、『桐生院』とは由緒ある家で、坊ちゃんが組んでいるバンドメンバーの家でもある。

…アメリカで色々考え込んだせいか、頭が固いな…


「そうか…織がそう言うなら、間違いないか。」

抱えた海の目を左手で隠して。

織にキスをする。

「あっ、何?何で目隠し~?」

「大事なミッションがあったから。」

「オレもミッションするっ!!」

「ははっ。『ボク』になら頼みたい事があるんだけどな。」

「ボクもミッションするっ!!」

「じゃあ、空が寝てるかどうか、見て来てくれるか?」

「ラジャー!!」

「それと、空が寂しくて悪い夢を見ちゃいけないから、30分ぐらい隣で横になっててくれるか?」

「ラジャー‼︎ラジャー!!」

俺の手から降りた海は、敬礼のポーズを取ると、嬉しそうに階段を上がって行った。


年が明けてすぐ、渡米した。

今、主に向こうで動いている頭のサポート。

俺が織と結婚してすぐ、頭夫婦は拠点を向こうに移された。

…本当は、離れたくないだろうに…


「父さん達、元気だった?」

織がお茶を入れてくれた。

俺は織の腰を抱き寄せて。

「ああ。命名式には帰るって。」

耳元でそう言って…抱きしめた。

織は今…妊娠中だ。

六月には、三人目が産まれる。


「…今回は沙耶君が引くんだっけ…」

「ああ。」

二階堂家では、代々身内が考えた名前を出し合い、第三者が引いて決めるという博打的な命名式がある。

『海』も『空』も、それで名前が決まった。

もちろん…織と、織と双子である坊ちゃんの…『陸』も。


「父さんの『星』を引かなきゃいいんだけど。」

織が笑った。

「織は名前考えてないのか?」

「あたしは…名前は父さんと母さんが考えてくれたものがいいかなって。」

「なのに、頭の考えてる『星』は嫌なんだ?」

「だって、ずっと『外れた!!』って騒いでる名前よ?」

「ははっ。」

「…環は?名前、考えなくていいの?」

「俺も…頭と姐さんが考えた名前でいい…って言いながら、沙耶には姐さんの方を引いて欲しいかな。」

「ふふっ。」

腕の中の織を…誰よりも愛しいと思う。


護衛という身でありながら、織に恋をした。

織が恋に落ちて、相手の子供を産んでも…その気持ちは変わらなかった。

そして、まさかの展開で…織と結ばれた。


二階堂に生まれ育ち…二階堂のために、命を懸ける気持ちは今も変わらない。

だが…織や子供達のために、生きて戻らなくては…と。

前以上に、仕事に集中する事が出来るようになった。


「30分空の隣で横になってたら…寝ちゃうわよね。」

織が笑う。

「見て来るよ。」

織の髪の毛にキスをして…階段を上がりかけると。

「…環…」

「ん?」

「帰って来てくれて、ありがとう。」

「……」


子供達の部屋を覗くと、案の定…海は空の隣で眠っていた。

二人の頬を撫でて…安堵の溜息をつく。


どんな現場にいても…織や子供達の事を想う。

そして…二階堂の誰もが無事に仕事を終えるよう…願う。

家族に会いたいのは、俺だけじゃない。


二階堂の古い体制を…変えたい。

頭がずっと一人で変えようとして来た事を…俺も手伝いたい。

すぐに具体的にならないのは分かるが…

いつか…

いつか…と、強く思う。

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