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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/02 11:00:59

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「…父さん…どういうつもりだったのかな…」

パーティーが終わって…

高原さんはタクシーで帰っていった。


酔っ払った父さんと千里は、すごく楽しそうだったけど…

あたしは…

母さんの気持ちを想うと、複雑だった。


あたしが…一緒に帰ろうって言った。

高原さんと暮らしてた母さんに。

一緒に帰ろうって…


あたしには、少なからずとも…罪悪感がある。

高原さんには、母さんを奪ってしまったという罪悪感。

母さんには、高原さんと別れるキッカケを作ってしまった罪悪感。

そして…父さんには…

もしかしたら、まだ高原さんを好きかもしれない母さんを…迎え入れさせた罪悪感…。


「…気にしても仕方ない。寝ろ。」

ベッドで、千里はそう言ってサイドボードの明かりを消した。

気にしても仕方ない…

…そうなんだけど…


小さく溜息をつくと…千里があたしの前髪をかきあげて。

「狭い世界で色んな事があったんだ。これからも会う事なんてあるかもしれねーだろ?それなら、今日こんな形で会っておいた方が良かったんだって思う方が良くねーか?」

真面目な声で言った。

「…そう…だよね…」

「悪い方に考えんな。高原さんだって、おまえが娘だと知って初めてのおまえの誕生日だったんだ。親父さんの優しさだと思えば、ありがたい事だろ?」

「……」

そうなんだけど…

どうしても…何だか…スッキリしない。

「それより…」

あたしが悶々とした顔をしてたせいか。

千里が至近距離で…

「華音と咲華…可愛かったな。」

そう言って、頬にキスをした。

「ふふ…千里、親バカね。」

「おまえもだろ?」

「まあ…そうだけど…」

「あいつらを産んでくれて…サンキュ…」

…唇が来た。

復縁して…一緒に暮らし始めて…五ヶ月経つのに。

あたしは、今も…千里が隣にいるのが夢みたいって思ってしまう。

こうして、抱きしめて…キスしてくれるのが…

夢だったらどうしよう…って。


「…何。変な顔して。」

千里が、あたしの顔を覗き込んだ。

「…変な顔してる?」

「余計な事考えてる顔だ。」

「…こうしてるのが、夢みたいって思ってた。」

「…なんで夢みたいなんだよ。現実だぜ?」

「だって…」

千里と…もう一度…なんて。

本当に、思わなかった。

もうあたしは…千里から呆れられてるって思ったし…


「…信じて欲しい…いつも俺が想うのはただ一人だけだと…」

ふいに、千里が耳元で…『Always』を口ずさんだ。

「…嬉しかった…」

「…俺は、こっぱずかしかった。」

「ふふっ…だけど、あの後…」

「あー、ほんっと…俺すげーな…思い出しても汗出るぜ。」

「…本当に…嬉しかった…」

「……」


すぐそこにある千里の目が…

すごく、優しかった。

初めて会った頃は…人を刺すような鋭い目をしてたのに…

「思いもよらねー事があったとしてさ…」

あたしの首筋に唇を落としながら…千里が言った。

「うん…」

「でも、人生ってそんなもんなんじゃねーかなって、俺は思う。」

「……」

「ずっと上手くなんかいきゃしねーよ。だからみんな、もがいたり解ろうと必死になんだよ。」

「…そう…だよね…」

「俺は…あんなに楽しそうな親父さんを見れて、嬉しかった。」

「……」

確かに、父さんは楽しそうだった。

なのにあたし…高原さんと母さんの事ばかり…

「全部が上手くまわって、スッキリするまでには時間が要る事もあるさ。」

「…うん…」

「俺らは、俺らの事をやるまでだ。」

「……」

「…な?」

「…うん。」

千里の背中に手を回した。

この人と…また一緒になれて良かった。


この時、あたしは心からそう思ったのに…

年が明けると、千里の幼馴染という存在が現れて。

あたしと千里は、また…最悪な時期を迎える事になる。

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