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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/02 07:58:28

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「ねえ、千里さん。知花は何時に帰ってくる?」

「ふっ…もう五回めっすよ?」

「えっ、そんなに聞いてる!?しつこいね!!あたし!!」

「…あいつら写真撮影はないから、取材っつっても…もう一時間ぐらいじゃないっすかね。」


今日…クリスマスイヴは、知花の誕生日だ。

親父さんとばーさんが気を使って、家族四人で食事にでも出かけたらどうかと言ってくれたが。

俺としては…

さくらさんが祝う、初めての知花の誕生日という事もあって。

桐生院家で、盛大にやりたい。と申し出た。


知花の誕生日が楽しみで仕方なかったらしいさくらさんは、数日前からソワソワしっぱなしで。

それはもう…なんつーか…

…義理の母親に対して失礼なんだが…

さくらさんは、子犬みたいだと思った。


SHE'S-HE'Sはメディアに顔を出さない。

が、記録として映像の収録はする。

それが高原さんの提案した活動方針らしく。

今日は朝早くからスタジオでの演奏収録に向かった。

夕方からは雑誌の取材…とは言っても、うちの事務所の取材班がインタビューするから、もちろん外部にその姿が漏れる事もない。

SHE'S-HE'Sの曲は日本でも大人気で、秘密のベールに隠されているメンバーの音楽に対する想いや、楽曲へのコメントが特集されるたびに、その雑誌はバカ売れする。

ま、俺達F'sも来年には…まずは、アメリカに殴り込みだ。


「千里さん、プレゼントは何?」

さくらさんに首を傾げて問われて。

「……」

俺は…無言で見つめ返す。

「…あれ…余計な事聞いちゃった?」

「いや…そういうわけじゃ…」

…プレゼント。

ぶっちゃけ…何も用意してない。


「とーしゃん、みてぇ~。」

「みてぇ~。」

華音と咲華が走って来て。

手にしていた紙を俺に見せた。

そこには、○や□や…

「…なんだこれ。」

「かーしゃん!!」

「かーしゃん!!」

「……」

無言になる俺の横では、さくらさんが。

「まあ、知花?ふふっ。二人とも上手に描けてるー。」

笑ったが…

「おい。知花はもっと美人だぞ。描き直せ。」

俺にダメ出しされた二人はキョトンとして。

「ぷっ…何それ。子供にダメ出しとか…神さん信じらんない。」

ソファーにいた麗は目を細めて笑った。

「部屋で一緒に描き直すぞ。ほら、華音、咲華、来い。」

「かーしゃん、かきなおしゅー。」

「もっとびじんー。」

部屋で画用紙を広げて、クレヨンを手にする。

子供達は、また新たに知花を描いているつもりだろうが…なんでこう…模様みたいに描くんだ?

俺の子供達に絵の才能はないらしい…


「待て、おまえらから見たら、知花はそんな顔なのか?」

俺の言葉に、二人は顔を上げて。

「かーしゃん、わらってゆ。」

そう言って、○を指差した。

「…これは?」

□を指差して問いかけると。

「うたってゆかーしゃん!!」

「……」

なるほど。

我が子達は…知花の顔じゃなくて…

イメージを描いてるんだな?

て事は…以前俺を描いてくれた時も、丸や線ばっかだったが…あれもイメージか。


「それはそれでいいとして、今度は顔を描いてやろうぜ。」

二人にそう言って、俺は顔の輪郭を描くように教える。

「これが、目で…鼻…で、口…顔は、こうやって描いてくんだ。」

二人は真面目に俺の手元を見て。

そして、顔を上げて言った。

「とーしゃん、こえ、だえ?」


…俺にも絵心はないらしい…

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