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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/01 16:28:45

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「いいじゃない、知花。別に、のぞきに行ったりしないから。」

さくらさんがからかうような口調でそう言って。

「母さん。」

知花は頬を膨らませた。

「きーまり。さ、寝ようぜ。」

らち明かねーと思って、さっさと子供達を連れて客間に向かう。

…今日は…朝から何気に緊張してたし。

疲れた。

疲れたが…

「とーしゃん、しゃくね、とーしゃんと、かーしゃんと、かろんとね。」

そんな疲れが…吹っ飛ぶ薬が、ここにある。

「咲華、父さんと母さんと、華音と?どうするんだ?」

横になって、咲華の頭を撫でながら問いかけると。

「まいーち、まんましゆのー。まいーち、ねんねしゆのー。」

「……ああ。これからは…毎日、みんな一緒だ。」

咲華の頭を撫でてると、その向こうで遠慮がちに俺をみてた華音が。

「とーしゃん…かーしゃん、しゅき?」

小さな声で言った。

「…ああ。好きだよ。」

俺の言葉に、二人は顔を見合わせて、パアッと明るい笑顔になった。

「…おい。目パッチリじゃねーかよ…寝ろよ。」

前髪をかきあげたついでに、仰向けになると。

「とーしゃん、しゅき!!」

「とーしゃん、しゅき!!」

二人が、俺の上に乗って来た。

「うおっ…あー…おまえら…大きくなりやがって…重てー…」

二人をギュッと抱きしめて…

「…華音も咲華も大好きだ…」

そう言って、頭にキスをした。

そのまま…ゆっくりと身体を揺らしていると…

「……」

まずは、いつも寝つきのいい咲華が即寝状態。

…ほんっと、こいつは簡単な奴だ。

ゆっくりと咲華を布団に降ろして…まだ半分寝ぼけた顔の華音を、身体の上で揺らし続けた。

「…とーしゃん…」

「ん?」

「…とーしゃん…」

「……」

…寝言か。

寝言で呼んでくれるなんて…

その愛しさに、胸が締め付けられた。

これからは…ずっと一緒だ。

離れない。

俺は…家族になるんだ。

桐生院のみんなと。


「…千里…?」

華音も布団に降ろして、横に向いて寝てると…背後から知花の声。

…何だよおまえ…そっちかよ…

あー…俺、真ん中で寝てんのか…

起きて位置をずらしたいが…もう…眠くてたまんねー…


「…歌…嬉しかった…」

…知花が、小声でそう言った。

「…カッコ良かった…」

…あー…

歌って良かった。

そして…

抱きしめてー…

そう思うのに…

「…おやすみ。」

頬に、知花の唇の感触があっても…

俺は、振り返って知花を抱きしめる気力さえなかった。


そのまま、どれぐらい眠ったのか…

目を開けると、まだ明け方で。

俺は子供達の布団をかけ直すと…

「……」

俺の後ろで眠ってた知花を…

「…知花。」

抱きしめた。

「…ん…」

知花は、少しだけ反応したものの…

「…おかえり…」

「ふっ…寝言かよ…」

「なさい…」

「……ただいま…知花。」

そのまま…知花の額にキスをして…抱きしめて…再び眠った。

心地いい温もり…

何年ぶりかの…知花の…


…知花。

頼むから…もう、離れないでくれ。

俺、おまえがいないと…


生きてけねーよ。



たぶん。



だから…

ずっとそばで、俺を…


手の平で、転がしててくれ。

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