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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/01 15:14:46

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「しゃく、とーしゃんと、まんましゆー。」

咲華の可愛さに俺がメロメロになってると。

「…神さん、なんで姉さんと離れて座ってんの?」

麗が背後から小声でつぶやいた。

「……」

俺は、ゆっくりと麗を振り返って。

「…別に、深い意味はねーけど…」

小声で答えた。

「…照れんだよな…あいつ、可愛いから…」

「……」

「……」

「はあ!?」

「ばっ…!!」

遅れて驚いた声を出した麗の口を、慌てて塞ぐ。

「うぐっ…」

「おまえは何も聞かなかった。何も聞かなかった。何も、聞かなかった。」

「……(うんうんうん)」

麗は無言のまま、三度頷いて。

俺が手を離すと溜息をつきながらキッチンに向か…う途中。

「姉さん、神さんが離れて座ってるのは、姉さんが可愛くて照れてるんだって。」

振り向いて、大声でそう言った。

「なっ!!」

俺が立ち上がりかけると。

「いいな~知花。千里さんが、そんな熱い事言ってくれてっ。」

さくらさんが、指を組んで言った。

当の知花は…真っ赤になって、口を一文字にしている。

「……」

「……」

俺と知花が無言になると。

「さあ、晩御飯にしますよ。みんな席について。さ、千里さんは知花の隣。」

ばーさんが、俺と咲華を窓を背にする位置に座らせた。

そして、知花も…隣に。

照れ臭かったが…

美味い晩飯を食ってたら、それにも慣れた。


「おかしいと思ってたのよ…『とーと』って言ったり『とーしゃん』って言ったり…」

知花が子供達に飯を食わせながら言うと。

「誤魔化すの大変だったよね。」

誓と麗が顔を見合わせて笑って。

「意外と鈍感なのね、知花。」

知花の向こうで、さくらさんも笑った。

「千里君、一杯飲むかい?」

みんなの声を拾いながら…俺は…

背筋を伸ばして、言った。

「突然ですが、俺を婿養子にしてくれませんか。」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「わかいまちた。」

「しゃく、してあげゆ。」

どうも、了承してくれたのは、我が子達だけだったようだ…

しばしの沈黙に、少しヒヤヒヤしていると…

「…婿養子って…知花と結婚して、桐生院の婿になる…ってことですか?」

やっと、ばーさんが反応してくれた。

「はい。できれば、ここで一緒に暮らしたいんですけど。」

「えっ!?ここで!?」

「じゃあ、ノン君もサクちゃんも、ずっとここに居られるってこと!?」

「楽しそう!!また家族が増えるー!!」

一気に盛り上がる桐生院家。

つい…小さく笑う。

「なっ何言ってんの…そんな、急に…」

「神家の方は説得してあるんだ。次に結婚する時は、婿養子に行くって。」

「…それって、うちだと反対されない?」

「なんで。」

「だって…一度離婚してるのに…」

「させねえよ。もし、反対されても説得するさ。」

「でも…神千里って名前、ずいぶん売れてるのに…」

「芸名神千里。本名桐生院千里。かっこいいじゃねえか。」

「そ…」

知花は絶句。

「…どうして、婿養子に?」

親父さんが、まだどこか少しポカンとしたまま、言った。

「いくら五男坊と言っても、君は神家の中でも幸作氏が一番可愛がっておられるのに…」

…確かにな。

四人の兄貴達とは比べ物にならないほど。

俺は、じーさんに可愛がられている。

でも…

「ここは、あったかいですから。」

知花に内緒で、子供達に会い始めて…

その温かさを、よりヒシヒシと感じた。

「俺、家族に優しくしたことなんかない。けど、したいとは想ってる。でも、その方法がわかんなくて。」

「……」

「ここにいたら、優しくなれる気がする。たくさん、いろんなことを分けてもらえる気がする。」

「千里…」

隣にいる知花が、俺の肩に頭を乗せた。

…おいおい。

おまえ、そんな事さらっとすると…

今夜、俺はおまえを襲うぞ?

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