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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/09/01 14:32:56

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もっと抱きしめたままでいたかったが、さすがに警備員とスタッフに『収拾がつかないから』と、スタジオから出るように言われた。

俺は知花の手を取ったまま、ロビーへ。


「…信じらんない…」

知花は唇を尖らせる。

「俺もな。」

そう言いながらも…俺は…喜びを隠しきれなくて、つい…ニヤニヤしてしまう。

「パニックになってたよ?いいの?ファン…減るんじゃない?」

「どうして。」

「…どうしてって…」

ショートカットの知花…まだ見慣れねーな。

アズは何度か、知花を男と間違えたって言ってたけど…

どこがだよ。

めちゃくちゃ可愛いのに。


「おまえ、今日まだ録りあんの?」

隣に座って、顔を見ないまま問いかける。

あんな派手な事しておいて…アレだが…

照れくせー。

「ううん、あたしは全部終わってる。」

知花も、自分の足元を見たまま答えた。

「あ、そ。じゃ、おまえんち行こうぜ。」

「…え?」

「おまえんち。早い方がいいんだ。」

「何が?」

「いろいろ。」

もし…知花が俺を受け入れてくれたら。

俺はすぐにでも、そうしたいと思っていた。


一旦ルームで着替えて、知花の手を取ったまま事務所を出る。

あちこちから冷やかしの声が聞こえたが、俺にはただの羨望の声に聞こえて、気分がいいだけだ。


タクシーに乗って桐生院へ。

門の前のインターホンを知花が鳴らすと、おかえりーの明るい声と共に、ロック解除の音。

知花と、俺の大好きな庭を歩いて屋敷の玄関に向かう。

…こんな日が来るとはな…

叶えたかったが、諦めかけた日もあった。

…諦めなくて良かった…


「ただいま…」

知花が小さな声で言うと。

「あら、おかえ…え?」

出迎えに来たさくらさんが、俺達を見て目を丸くした。

そして。

「まあ…まあまあまあ、おかえり‼︎さ、早くあがって‼︎」

さくらさんは、笑顔でそう言って、俺達を迎え入れてくれた。

「おじゃまします。」

知花と並んで廊下を歩いて、リビングに入りかけた所で…

「かーしゃんっ。」

華音と咲華が駆け寄って来た。

「ただいま。」

知花が二人の頭を撫でながらそう言って。

俺は…

「よ。」

「とーしゃん!!」

二人を抱き上げた。

「とーしゃん、おかえいー。」

華音の『おかえり』に…胸が熱くなった。

「…ただいま。」

「かーしゃん、とーしゃんよー。」

二人の中では…たぶん、『父さんと母さん』は、夫婦っていうくくりじゃないよな。

俺と知花は、いつも別々に子供達に会ってたから。

咲華に俺を紹介された知花は、笑顔なんだが…目に涙をためて。

「うん…そうだね…」

小さく、つぶやいた。

「…千里さん、おかえりなさい。」

振り向くと、ばーさんと…親父さん、誓と麗、みんな居て。

「おかえりなさい。」

みんなが…そう言ってくれた。

「…ただいま。」

桐生院家は…温かい。

親父さんから、色んな過去を聞いたが…

それが何だ。って感じだ。

さくらさんも加わってパワーアップしてる桐生院家は…

きっと、俺にとって…



楽園だ。

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