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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/31 22:45:35

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「華音!!」

「きゃはははは!!」

今日も知花はオフだったんだけど。

急遽事務所に行って来るって出かけた。

ちょっと遅くなるかもって。

うーん…

何とか…前に進んでくれるといいんだけどな…


今日はお義母さんと麗とで、お茶しながら千里さんと子供達の笑顔を見て…

ちょっと、癒されたりなんかしてる。

…いいよね…やっぱり。

家族って。


「…千里さん元気ねー。」

あたしがそう言いながらお義母さんの隣に座ると。

「見かけによらず自転車通勤だもんね。体力あるわよ。」

麗がお茶を飲み干して言った。

「疲れてても、可愛くて仕方ないんですよ。わが子が。」

お義母さんは…千里さんと子供達が戯れる姿に、すごく嬉しそうな眼差し。

うん…

優しい光景だよね…

愛に溢れてて…。


「そうよね…また、手がかかってかわいい頃だしね。」

つい…遠い目をしてしまう。

あたしも、知花を…

小さな知花を、抱っこしたかったな…


「貴司さんも、麗達をあんな感じであやしてた?」

ダメダメ。って思って、気分を切り替えて。

お義母さんに問いかけると。

「貴司はオロオロしてばかりでしたよ。」

お義母さんは、ずずってお茶をすすった。

「じゃ、容子さんが面倒みてたの?」

「容子さんと私もオロオロしてました。」

「じゃ、誰が?」

「知花が歌を歌ってやったり、絵を描いたりしてやってたかね。」

「知花が?」

「姉さんが?」

麗と同時に言って、お義母さんがあたし達の顔を交互に見て。

「容子さんは産後の肥立ちがよくなくてね。それでなくても、麗と誓はよく泣く子で、私も貴司もオロオロして。」

首をすくめて言った。

「泣き虫だったの?あたし。」

「そう。そのたびに、知花がよくわからない歌を歌って…それでも麗達はいい子になってたから私達は大助かり。」

「……」

知花…お姉さんだったんだな…

貴司さんは仕事に行ってたから、きっと…お義母さんしか知らないような話なのかもしれない。

知花の小さな頃の話が聞けて…うん。

あたし、ラッキーだよ。


「いいなあ、可愛かったんだろうな。麗のちっちゃい時。」

麗の髪の毛を手にしてそう言うと。

「…ちっちゃい時って言い方、おかしくない?」

麗は目を細めて、あたしを見た。

ふふっ。

可愛いなあ、麗も。


「ただいまー。」

ふいに玄関から大きな声が聞こえて…

「!!!!!!!!!!」

あたし達は肩を揺らせて顔を見合わせた。

知花だ!!

なんで!?


「うっ麗、玄関へお行き!!さくらは千里さんに!!」

「はいっ!!」

「ラジャー!!」

お義母さんに言われた通り、麗は玄関へ走って、あたしは千里さんと子供達のいる奥の間に。

すると、千里さんにも知花の声は聞こえてたみたいで…

「帰ったみたいっすね。」

帰り支度を始めてる。

「うん…ごめんね。遅くなるって言ってたのに…」

「いや、こっそり来るのも…もう潮時なんで。」

「……」

千里さんは、少し…寂しそうな横顔。

どういう…意味なのかな。

「…とーしゃん、かえゆ?」

ノン君が千里さんを見上げながら言うと…

「…いい子してるんだぞ?そしたら…また会えるから。」

千里さんが、ノン君とサクちゃんの頭を交互に撫でながら言って…

何だか、あたし…

胸がいっぱいになった。

ねえ、千里さん。

このまま…もう、知花に会って、ちゃんと話し合おうよ。

そう…のど元まで言葉が出かけた時…


「母さーん、姉さん帰ったわよー。」

ドタバタという足音と共に…聞こえて来た麗の声。

「……」

「……」

あたしと千里さん…顔を見合わせてしまった。

だって…今…麗…

「玄関、平気なのか?」

入って来た麗に千里さんが言うと。

「うん。今おばあちゃまが、姉さんに花を買いに行くように言ってる。」

そんな麗に…

「…今日のおまえは、格別に可愛いな。」

千里さんが、そう言って…麗の頭を撫でた。

「え?」

なんて言うか…

あたし…

ちょっと、感極まった。

知花から『母さん』って呼ばれるのも、もちろん…嬉しいんだけど。

…麗からそう呼ばれるの…

すごく、すごくすごく、嬉しかった。

「も1回。もう1回言って?」

涙目になりながら、アンコールすると。

麗は少し赤い顔をして。

「しっ…知らないわよっ。」

バタバタと、キッチンに向かって歩いて行ってしまった。

そんな麗の後姿を見ながら。

「…前進っすね。」

千里さんが…優しく笑ってくれて。

あたし…


幸せだな…って、思った…。

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