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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/31 14:34:06

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生まれて初めて持ったポイントカード。

子供服、おもちゃ、雑貨の店、カナリアの物だ。

スタンプが溜まって行くサマの…楽しい事…楽しい事…

しかも、これがいっぱいになったら、特別カタログの中から、欲しい物を一つ選ぶ事が出来る。

俺が狙っているのは…ズバリ、木製の二人掛けブランコだ。

サイズ的には大人も座れる。

広縁に置いて、あれに座って庭を眺めるなんて…最高のはずだ。

庭に持ち出してもいい。

…いや、もちろん…華音と咲華に座らせてやりたいから、あれを選ぶんだが。


「…ニヤニヤしてるで?」

突然、朝霧さんがアップで迫って来て、俺は少しだけのけ反った。

…ビックリした。

…間近で見ても…

やっぱ、世界のDeep Redの朝霧真音なんだな…って…

当たり前か。

「ちょっと、昼飯付き合うてくれ。」

朝霧さんにそう言われて、俺はルームを見渡す。

そこには、アズも京介もいるが…俺だけ?

「あ、悪い。ちょっとプライベートな話やから。」

気付いた朝霧さんが、アズと京介にそう言って、顔の前で手を合わせた。

「いいですよー。俺らはまた別日に美味いもんごちそうしてくださーい。」

アズがのんきにそう言うと。

「…俺は朝霧さんと飯なんて…食った気しないだろうな…」

京介は、聴こえるかどうかぐらいの小声で、そう言った。

…まだ人見知りしてんのかよ。


朝霧さんは、なぜか少し緊張した面持ちで…

無言で並んで歩いて、着いた先は中華料理屋。

「お待ちしてましたー。」

…お待ちしてました?

「さ、奥へどうぞー。」

…奥?

どうやら朝霧さんは、個室を予約していたらしい。

…内密な事か?

俺まで少し緊張して来た。


店員と朝霧さんの後をついて店の奥の部屋に。

朝霧さんが中華?って、意外だったから、少し突っ込もうと思ってたのに…それさえどうでも良くなった。


「…千里、率直に聞くが…」

まるで怪しい組織が密談に使う部屋のようだ。

そう思いながら、漆塗りの柱を眺めていると、朝霧さんが言った。

「今も、知花を好きなんか?」

「……」

高原さんに聞かれる事は想定できたが…朝霧さん?

その驚きに、無言になってしまうと。

「んー…好きか…」

それを返事と受け取ったようで。

朝霧さんは、腕組みをしてうつむいた。

「…なんすか?」

「…まず、謝らせてくれ。」

「え?」

「すまん。ホンマ、悪かった。」

朝霧さんに頭を下げられて、俺はつい椅子から立ち上がる。

「い…いやいやいやいや…意味分からないっすよ。止めて下さい。」

「知花が、おまえの子供を産んだ。」

「……は?」

これまた…思いがけない人からの告白に、俺は固まる。

「しかも双子や。向こうで妊娠が分かって…出産した。」

「……」

「…俺が向こう行った時、知花は…もう、でっかい腹になっとって…」

「……」

「みんなから、口止めされた…けど…なんて言うか…」

俺は立ち上がったまま、朝霧さんを見下ろした。

けど、別に怒りとか…そういう感情はない。

むしろ、そんな事をずっと抱えてた朝霧さんを、気の毒に思った。

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