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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/30 10:26:52

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桐生院家に到着して…

あたしは、変わってない庭に泣きそうになった。

だって…

17歳の時、この庭で…貴司さんにプロポーズされた。

あの時のままだよ…


…だけど。

あれから21年も経ってて。

あたしは…

今度こそ、なっちゃんを失った。


…ううん。

でも、知花がいる。

それに…家族が…できる。


家に入ると、昔より痩せて…小さくなったお義母さんがいた。

「さくら…」

お義母さんは、あたしを抱きしめて。

「元気だったのかい…?」

何度も…涙を拭って…あたしの顔、確かめるみたいに撫でながら言った。

…何だか、本当に…

本当に、あたしのお母さんみたいって思えて…

「…お義母さん…会いたかった…」

あたしも、そう言って…お義母さんを抱きしめた。


最初は厳しかったけど、あたしの事…すごく可愛がってくれた。

本当に、大事にしてくれた。

あたし…

もう一度…家族になれるかな…

「……」

あたしは涙を拭って、お義母さんから離れると。

「貴司さん。」

キッ、と。

貴司さんを見据えた。

「え…えっ?」

「どうして、知花が死産だなんて嘘を?」

「あ…」

貴司さんは背筋を伸ばして、しどろもどろに何か言ってたけど。

お義母さんにも責められてたけど。

その後ろで、知花がキョトンとしたり小さく笑ったりするのが…すごく可愛くて。

ああ…なんだろ…

あたしの娘…

すごく…

可愛い。

って…

親ばかなあたし。


…神君って言ったっけ…

知花の事、大好きでたまらないって…。

あんなに…誰かに愛される子なんだ…って思うと…

…ちゃんと…赤ちゃんの頃から育てたかったな…

可愛かったんだろうな…

知花の…小さな…

「かあしゃんっ。」

「……」

「かかっ。」

「……」

ふいに…

ふくらはぎに、何かが触れた。

見ると…

あたしの横を通り過ぎて、知花の足に抱きつく…小さな子供が二人…


「……お母さん…?」

知花を見て言うと。

「う…うん…」

「…知花が?」

「…うん…」

「…誰の子供?」

「えーと…それは…」

深く聞こうとすると、お義母さんに色々突っ込まれて…うやむやにされながら居間に連れて行かれた。

だけど、あたしの興味は小さな子供達に。

…二人とも…

めちゃくちゃ可愛い!!

「や~ん可愛い…お名前は?」

ソファーに座って手を差し出すと。

「……」

「……」

二人とも、無言で知花の後に隠れてしまった。

「あ…ごめん…何だか先週ぐらいから急に人見知りが…」

「人見知り…」

そっか。

子供って、そういうのあるんだっけ。

あたし…子育てしてないから、何だか知花が先輩に思えちゃうな…

「じゃあ…あれで仲良くしてもらおうかな。」

あたしが部屋をキョロキョロと見渡すと。

「さくら、花火はダメですよ。」

「さくら、花火はやめなさい。」

貴司さんとお義母さんが、同時に言った。

「…花火?」

今度は、あたしと知花が同時に首を傾げる。

「昔、何かを集めて花火を…」

お義母さんがそう言いかけた時。

「お母さん、すいません。言い忘れてました。」

貴司さんが、また姿勢を正して。

「さくらは…事故に遭って、少し記憶を失くしているんですよ。」

あたしをチラリと見て言った。

「えっ…事故って…」

お義母さんは驚いたけど…あたしは、少しキョトンとしてしまった。

自分の事なのに。

…事故…


あたしが遭った事故って…


何なんだろう。

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