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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/29 20:46:17

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「…この話、サカエさんに…」

おぼろげだが…聞いた気がする。

だが、ハッキリ覚えていない。

今、目の前のこの男が話さなければ、思い出す事もなかったはずだ。

「ええ。話して…また消したようですね。」

「…消した?」

「この事実を知ったまま、あなたがさくらと一緒に居るのは無理だとサカエが判断したのでしょう。」

「……」

さくらの事なら…何でも受け止めたい。

ずっと、そう思ってきた。

だが、そう思い込んでいるだけで…実際はそうじゃないのかもしれない。

それをサカエさんは身近で見て判断し…そうしたのかもしれない。

…結局、俺にはさくらを守る器はないって事か…


「私は、さくらに『頭』と呼ばれていました。」

「……」

「さきほど、私の顔を見ても誰か分からなかったようです。それでいいと思いました。」

「さくらに…何を?」

「二階堂に関わる記憶は出て来ないはずです。ですが…さくらの中で、さくらがそれに関連付けている事も、忘れてしまっているでしょう。」

「…もしかしたら、俺の事も…って事ですか。」

「さすがにあなたの事は忘れないでしょうが…今は…あなたよりも大事な人物がいるようですね。」

さらりと…傷付く事を言われた。

俺よりも大事な人物。

それは…

「…桐生院知花。」

「……」

「陸が言っていました。恐ろしく耳のいいボーカリストだと。」

「…そうですね…」

「さくらの血が、ちゃんと…受け継がれているんでしょう。」

「……相手の…」

「桐生院貴司…大丈夫ですよ。調べてみましたが、真面目な人間です。」

「…調べた?」

「さくらを、桐生院にお返しになるんでしょう?」

「……」

帰す…返す…

さくらの居場所は、ここじゃないのか?

俺じゃないのか?

何度も…この数日間、何度も自問自答して来たが…

さくらの幸せを思うと、結局は…それがベストなのだろう…と行き着く。

だが…認めたくない。

俺には…さくらが必要だ…。


「…二階堂を抜ける時、さくらが…『イマジン』という歌を歌ってくれました。」

…プレシズでも聴いた…さくらの『イマジン』

世界に争いはなく、みんな、ただ…幸せに生きる。

そんな世界をイメージしてごらん…。


「お恥ずかしい事に、戦う事しか知らなかった私は、その歌が有名な曲とも知りませんでした。さくらの歌に、心打たれました。」

男は立ち上がると。

「長い間…さくらがお世話になりました。」

俺に…頭を下げた。

「どうか…色んな事から解放されて下さい。」

「…俺には…」

「……」

「…さくらがいないと…」

「…藤堂周子さんは、どうさるれおつもりですか?」

「……」

「どちらも選べず、苦しんでらしたのでしょう?」

何でもお見通しか。

サカエさんは…いつからこうやって…俺を監視してたんだろうな。


まさか…

俺が…さくらを選ばないなんて。


俺はもう…死んだも同然だ。


「あなたは、一度死んだ気になられたでしょう?」

「……」

「私も、何度か死んだ気になりました。」

ドアの前で、男は笑って。

「一度死んだ気になったら、二度も三度も同じです。」

そう言って…出て行った。


…そうか。

二度も三度も…同じか。


それなら俺は…また死んだ気になって…


…さくらの…

手を…

離せばいいのか…。


さくらの手を離せば…


俺は、解放…されるのか?




…何から?

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コメント2

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  1. ヒカリさん(99歳)ID:6591229・08/30

    シルヴェーヌさん
    わ〜ホントですよ〜( ´Д` )
    堂々たる既成事実で…
    って、ここは後付けの話なので、浮かばなかったですわ^^;
    でもそうなってたらこの後もガラリと…どうなってんだろう⁉︎

  2. シルヴェーヌさん(52歳)ID:6591119・08/30

    この時 一緒に居た この時に妊娠してたら。。。
    そしたら。。。
    なんて 本気で思ってしまった^_^;

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