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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/13 22:18:02

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「ホールでのオーディションは、一か月後。楽しみにしてる。」


そう言って、三人はスタジオを出て行った。

その後の俺達は、少し放心状態だったが…

「一か月後…ホールでオーディションって事は…俺ら、一次は通ったって事じゃん。」

アズが、ふわふわしたような声で言った。

「マジで!?おい!!マジかよ!!うわー!!俺、リズムキープ頑張る!!」

タモツが立ち上がって大声でそう言って、マサシは。

「俺…やっぱキーボードしてーな…」

苦笑いしながら言った。

「まあ…俺がベース弾きながら歌ってもいいんだけどな…」

ダメだ。

クールな顔ができない。

つい優しく言ってしまうと、案の定、みんなは丸い目で俺を見た。

「…何見てる。」

みんなを見てそう言うと…あ…やべ。

約束を、思い出した。


先月、このスタジオの隣にある雑貨屋で知り合った女に、ボイトレを頼まれた。

ボーカリストになりたいんだけど、と。

二つ年下。

美人。

帰国子女。

まあ、引き受けるよな。

だが今日は、もっとバンドの練習をしたかった。

なんなら一人で腹筋もしたい気分だ。


俺は待ち合わせ場所にしてる雑貨屋に向かおうと、階段を下りた。

すると、そこにはまだDeep Redの三人がいて。

…帰国子女が囲まれている。

…なんでここにいんだよ…

受付のデニーさん(ニックネーム)がうるさいから、来るなっつったのに…


「瞳。」

俺が声をかけると。

Deep Redも振り返った。


「来るなっつっただろ。」

「だって…」

俺が階段を降り切って、瞳を外に連れ出そうとすると。

「…お父さん。」

瞳が、俺の背後に向かって言った。

…お父さん?

俺は、振り返って…Deep Redを見る。

親父だと?

誰が…瞳の親父だ?


「この人、あたしの彼氏。神千里。」

瞳が俺の腕を取って…

「彼氏…?」

高原夏希が、眉間にしわを寄せた。

「お父さん…?」

俺は、瞳と高原夏希を交互に見て。


本当に、最悪なパターンだ。

と、心の中で嘆いた。

つーか…

…彼氏?

俺の腕に絡みついた瞳を見て、少しだけ眉間にしわを寄せた。

おまえ、勝手に俺の女になんなよ。

会うのだって三回目じゃねーかよ。

て言うか…

お父さんて…


俺は目の前で額に手を当ててうなだれてる、Deep Redの高原夏希を見た。


「…瞳。」

高原夏希の低い声。

「…何よ。」

「寮に連れ込んでる男か?」

「…そうよ。悪い?」

…おい。

おいおい。

寮に連れ込んでる男って何だよ。

だいたい、おまえ寮暮らしかよ。

そんな事さえ知らねーのに、なんで…

俺が瞳の顔を見ると。

瞳は目を細めて俺を見た。

…何のアイコンタクトだよ。

知らねーよ。


「…とりあえず、離れろ。」

そう言われて、瞳の腕を離そうとすると…

「イヤよ。」

瞳が、俺の腕から離れない。


面倒な事は嫌いだ。


…離せよ。

やだ。離れない。

いいから離せ。

いーやーだ。


無言で瞳と体の引き合いをしてると。


「…神くん。頼むから、遊びでだけは付き合わないでくれ。」

高原夏希が、俺の肩に手を掛けて言った。

「…別に俺は…」

俺がそう言いかけると。

「遊びなんかじゃないわよ!!あたし達、ちゃんと好き合って恋人同士になってるんだから!!」

瞳の大声が、狭いロビーに響いて。

受付のデニーさんが、Deep Redのナッキーに娘がいて、TOYSの神と付き合ってる。って誰かに電話してた。

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