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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/13 21:36:01

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その姿がスタジオに入って来た時…

俺は正直…


足が震えた。


だって、アイツらだぜ?

世界の…

世界のDeep Redの三人だぜ?


鍵盤奏者の島沢尚斗は、ロック界のみならずクラシック界でも一目置かれる存在だし。

ギタリストの朝霧真音は、世界のギターキッズの憧れの存在。

そして…そんなメンバーを従えて、世界中に名前を知らしめて。

まだまだ現役でやれるはずなのに、若手を育てたいって、活動を休止。

日本に音楽事務所を創った…

高原夏希。

誰にも…言った事はないが…

ボーカリストとしてだけじゃなく…

人間として。

俺が唯一、憧れ、尊敬する人物だ。


Deep RedのCDは、もちろん全部揃えてる。

ライヴ映像も、何度も見た。

そんな憧れの人が…目の前に…

なぜだ⁉︎

なぜここにいる⁉︎

夢じゃないか⁉︎


俺は興奮した。

だが…

ちっぽけなプライドが、勝った。


「見学させてもらっていいかな?」

憧れの高原夏希にそう言われたのに。

俺は…

「やだね。」

即答した。


嫌に決まってる!!

テツオが抜けて、マサシがベースに転向したばっかで。

何回も同じフレーズを練習するも、マサシはなかなか上手くならない。

そんなのを聴かせたくない!!


「それは失礼したね。だけどオーディションに申し込んで来たからには、いつどういった状況で俺達が聴きに来てもいいんじゃないか?」

「…オーディション?」

俺が眉間にしわを寄せると。

「あ、俺が出した。」

アズが笑顔で言った。

…また、おまえかよ!!

いつも勝手な事しやがって!!


こうなったら仕方ない。

「…マサシ、ベース貸せ。」

俺はマサシからベースを奪って。

マサシには、元々の鍵盤に戻らせた。


「行くぜ。」

俺がそう言うと、ドラムのタモツがハンパなく緊張しまくった顔でカウントを取った。

…そんな硬くなんなよ…

俺だって…足が震えてんだぜ!!


がむしゃらだった。

今までで一番緊張したし、声も張った。

今の俺を出し切るんだ。

認めてもらうんだ。

そんな気持ちが強かったと思う。


何とか一曲やり終えると。

三人はパチパチと拍手をして…スタジオを出ようとした。

えっ!?

帰んのかよ!!


「せっかく来たんだ。最後まで聴いてけよ。」

つい、無愛想に言ってしまう。

もう今更、にこやかになんてできねーし!!

「もう十分だ。貴重な時間を邪魔して悪かったな。」

俺の態度が不快だったのか、高原夏希は低い声だった。


「君の力はよく分かった。だが、言葉使いや態度がいただけない。」

「何だそれ。」

「俺の事務所から発信するアーティストは、世界規模だ。」

「……」

「上手ければいいと思うな。俺が望んでるのは、技術だけじゃない。音楽から滲み出るそのバンドのカラーや、メンバーの人間性も、だ。」

あー…やべーな…

俺、これって完璧嫌われてるよな…

尊敬する人に…

あー…最悪だ…


言葉を失くしてしまってると。

「それと…高音が少しフラットするのは、腹筋がまだまだ弱いからだ。」

高原夏希が、俺の腹筋を触った。

「もっとここを鍛えろ。のどを痛める前に、体を作れ。」

「……」

あ…れ?

なんか、ちょっと…いい事教えてくれたような…?

俺、高音フラットしてたのか?

自分じゃ気付かねーし…メンバーはみんな自分の事に必死だから、そんなの誰にも言われた事ねーし…

「あと、ドラムはもっとリズムキープしっかりしろ。ギターはもう少し音量のバランス考えて。鍵盤の君は…」

高原夏希はメンバー一人一人に助言をくれて。

マサシには。

「君は、突然のコンバートなのに立派に弾いてたな。鍵盤の経験あるのか?」

マサシだけ褒め言葉か!?

有頂天になったマサシは、コクコクと頷くものの、言葉を出す事ができなかった。

くそー!!

俺のおかげだからな!?

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