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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/13 15:08:51

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周子がさくらの部屋に行って…30分。

二人きりにして欲しいと言われて…そうしたが…

周子が、なかなか出て来ない。


…このまま二人にしていていいのだろうか。

周子を信用してないわけじゃないが…

俺は、そっと部屋を覗いた。

…信用してないって事だな。


周子はさくらの手を握り、もう片方の手で頭を撫でながら…語りかけていた。

言葉までは聞き取れなかったが、泣いたり…そうかと思えば、昔ヒットした周子の作った歌を口ずさんだりした。


…この様子だと…

周子がカプリに通って、さくらと親しくしていたのは…本当なのかもしれない。

さくらがそれを俺に打ち明けなかったのは…

言いにくかったのだろう。


瞬きで応えるさくらに…早く会いたい。

そう思っていた俺に、周子の滞在は酷く長く思えた。


「…サカエさん。」

キッチンでお茶を入れているサカエさんに声をかけると。

「なんでございましょう?」

サカエさんはゆっくりと振り返った。

「…いつもすまないね。」

「…え?」

俺の言葉に、サカエさんは少しだけ目を丸くした。

「ずっとさくらのそばに着いていてもらって…本当に感謝してる。」

「…どうなさったんですか?」

「いや…いつも仕事仕事で、帰って来てもさくらに付きっきりだから…サカエさんにちゃんとした感謝の言葉も言えないなんて、俺は最低だなと思って。」

本当に。

この9年間…サカエさんが居てくれなかったら…俺はここまで仕事も出来ていない。

ビートランドの成功の影には、サカエさんの力が大いに関係してると言っても過言ではない。


「何をおっしゃるんですか。いつもお気持ち以上のお給料をいただいて…」

サカエさんは眉間にしわを寄せて、首を振りながら言った。

「なのに、さくらさんの状態を良くして差し上げる事が出来なくて…」

「何言ってるんだ。視線が動いたじゃないか。」

「9年でそれだけです…」

「大きなことだ。瞬きで応える事もしたんだろう?」

「はい…」

「ありがとう。本当に…サカエさんのおかげだ。」

サカエさんの手を取ってそう言うと。

「…旦那様…わたくし、本当に…いつの日か、お二人が手を取り合ってお庭を歩かれるのを…見たいと思っています…」

涙ぐみながら、そう言った。


さくらの手を取って…庭を歩く。


それは…

俺の夢でもあった。


春には、桜の花が咲きほこる我が家の庭。


さくら。

いつか一緒に…

手を繋いで歩こう。

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