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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/13 09:40:30

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「久しぶりね。」

目の前の周子は、昔より気持ちふっくらして見えた。

だが、痩せすぎているよりは好感のもてる見た目だった。

待ち合わせたのは事務所の近くのカフェ。


「一人で来たのか?」

てっきり瞳と一緒に来ると思っていた俺は、周子が一人な事に面食らっていた。

「ええ。学校はもう見て来たし、寮があったからそこも申し込んできたわ。」

寮…

それは俺にとっては好都合だが…

「…瞳はそれで納得するかな?」

「いきなりあなたと一緒に暮らすよりは、気楽じゃないかしら。」

まあ、そうか。

俺は親父とは離れて居ても面識があったからこそ、すぐに高原に同居できたが…

それでも高原家の面々とは最初からいい関係だったとは言えない。

それに瞳は年頃の娘だ。


「…確かに。」

周子の言葉に納得して頷いていると。

「でも、休日に帰る家がないのは困るわ。」

これまた…納得の言葉。

「実は、すぐそこのマンションに部屋を買ってる。」

「…え?」

「表向きの俺の家。さくらと暮らしてる家は、誰にも教えてないんだ。」

「……」

「休日の間、どれだけ一緒に居られるかは分からないが…瞳が寂しくないようにはしたい。」


今までも、事務所に泊まり込んだり…海外出張などで家を空けなかったわけじゃない。

サカエさんは信用できる人だし…

瞳との時間もちゃんと作らなくては…と思う。

俺を頼って来るなら…特に。


「俺のエゴで一緒に暮らせないんだ。なるべく時間は作る。」

「…そう。良かった。」


それからしばらく会話が途切れた。

周子は何かを言いたそうにはしたが、言葉はなかなか出て来なかった。


「…行くか。」

俺が車のキーを持って立ち上がると。

「…ええ…」

周子も静かに立ち上がった。


…なぜ、周子がさくらに会いたいと言うのか…

それはよく分からなかったが。

さくらにとっては、脅威だった周子。

何か…

刺激にならないだろうか。


…良くも悪くも。

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