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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/12 21:27:15

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「…は?」

『だから、瞳があなたの所に行くって言ってるの。』

俺は周子からの電話に、しばらく瞬きを忘れた。

「いや、ちょっと待て。俺の所に来るって…」

『あなたと暮らしたいんですって。』

「……」

俺と、暮らしたい?

瞳が?

確か、瞳はもう15歳。

最後に会ったのは…いつだ?

さくらがいなくなった日の、トレーラーハウス…だった気がする。


帰国する前に一度、会いに行こうとしたが…

都合が良過ぎる気がしてやめた。

ただ、家の近くまで行って、庭で水やりをしている姿は見た。

あれが…6歳の時か。

ポニーテールにした髪の毛。

水色の服を着ていた。


帰国してからは一度も周子と連絡を取り合っていなかった。

瞳の様子も知る事はなかった。

それなのに…いきなり同居を申しだされても…


『瞳のためなら、何でもしてくれるんでしょう?』

周子が低い声で言った。

「出来る事と出来ない事がある。だいたい、なんでそういう事になったんだ?」

『……』

周子は少しだけ間を開けて。

『…ジェフと再婚したの。』

意外でもない言葉を出した。

「いつ。」

『五年前。』

「そっちの事務所に行く事もあったのに…全然知らなかったな。それはおめでとう。」

『ありがとう。』

「で?ジェフと瞳の折り合いが悪いのか?」

『そんな感じよ。反抗期も手伝って、ジェフに酷い事ばかり言うの。』

反抗期か…

俺にはなかった気がする。

15歳…

母が死んだ歳。


「学校は?」

『そっちのアメリカンスクールに入るって言ってるわ。』

「……」

瞳が可愛くないわけじゃない。

むしろ、何年も会ってないだけに…愛しさも増すだろう。

俺の血を分けた娘。


「周子の手に負えない娘を、俺がどうにかできると思うのか?」

『あの子、あなたに似てるわ。』

「は?」

『だから、言う事は聞かなくても…何か見つけてくれるんじゃないかって期待してる。』

周子は迷いのない声でそう言って。

『宜しくね。パパ。』

少しだけ…笑い混じりにそう言った。

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