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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/12 15:00:09

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「詩生。」

事務所のロビーを歩いてると、珍しく…ノンくんに呼ばれた。

俺の彼女、桐生院華月の兄で…

DANGERのギタリスト、桐生院華音くん。


「なんすか?」

親父のお下がりだけど、めちゃくちゃ気に入っているオフホワイトのストラトを担いでノンくんに近寄ると。

「おまえんとこの親父さん、何か言ってないか?」

意外な言葉。

「…何かとは?何について?」

「何かさ…最近、うちの親父怪しいんだよなー…」

ノンくんは顎に手を当てて考え事をしているような顔。

「怪しいとは…?」

「何か企んでる的な。」

「イベントとか?」

「そう。」

「でも今…」

そう。

今は、作詞家の藤堂周子さんのトリビュートアルバム制作の真っただ中。

当初女性ボーカルだけでの録りのはずが、アレンジを加えた曲に関してのみ、男性ボーカリスト採用って事になって。

名誉なことに、俺は丸々二曲と、神さんのバックコーラスで二曲も歌わせてもらえる。

そして、その曲ごとに変わるバンド編成も…すごい。

世界のDeep Redと言われた高原さんのバンドのギタリスト、朝霧真音さんがうちの親父と弾いたり…

ノンくんと陸さんが弾いたり…

もう、このセッション大会のようなお祭り騒ぎに、みんな浮かれる気持ちを持ったのは一瞬…

後は、緊張感やプレッシャーとの戦い。

普段はメンバー同士のクセだと思っている事も、大御所や他バンドの人から見ると…

「遅い!!」

「そこ、雑過ぎる!!」

味でもクセでもなく…

ただの下手くそに格下げ。


そんなわけで、俺達は今、ツアーの合間だと言うのに…

とてつもない個人練に時間を割いている。


「うちの親父が一人で動くわけないからさ。何かやるとしたら…陸兄と早乙女さんと、朝霧家が絡んでるだろうなと思ってさ。」

朝霧家。に笑ってしまった。

さすがに希世は入れてもらえてないだろうけど、マノンさんと光史さんは親子だが、まるで友達かのように…二人で色んな事を練っている。


小さな頃から知ってる大御所の皆さん方は、昔は『優しいオジサン達』だったが…

自分が音楽の道に進む事を意識するようになって、その人達は知ってる『優しいオジサン達』から『偉大な大先輩方』になった。

おかげで、むやみやたらに馴れ馴れしく声なんてかけれない。

向こうがフランクに声を掛けてくれても、だ。

自分の生まれ育った環境には感謝するが…

苦境とも言える。

それは、俺達DEEBEEのメンバー全員が思ってる事。

そんな偉大な先輩たちは、最近…


「そう言われてみると…」

そうだ。

『陸んち行って来る。』

『今日陸んち寄って帰るから。』

『陸んちに居るから飯要らない。』

うちの親父…ここ最近、陸さんの名前を連発してる。


「そう言われてみると?」

「二階堂家に入り浸りのような気もするかな…何かと言うと、陸さんちに寄るって。」

「…あそこなら、今は紅美も学もいないからな…」

確かに。

SHE'S-HE'Sが新しく曲を発表するなんて話もないし…

まあ、トリビュートアルバムの事で行ってるのかなとも思ってた。

二階堂家には立派な地下スタジオがあるし。


俺とノンくんがそんな話をしてると…

「あれ?詩生、こんな所でのんびりしてていいのか?」

うちのドラマー、希世が来た。

「あ、ちょうど良かった。」

ノンくんがそう言って、希世にも俺と同じ事を問いかけると…

「そう言えば…最近親父も爺ちゃんも、陸さんちによく行ってるなあ。」

「……」

「……」

「え?何?」

いったい…何が企まれてる?

正直…


体がもたねー…!!

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