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俺のものにしたい version B

恋ってステキ♡フィクションラブストーリー

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恩と罪悪感

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/10 10:15:39

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暴漢二人組に襲われそうになった
あの日から、ケントは以前にも増して
ユカに近づいてくるようになった。


話しかけてくるだけにとどまらず、
ある日には帰宅しようと職場を出る
ユカを追いかけ、


「また一人じゃ危ないから
家まで送っていくよ!」


なんてことまで言いだした。


「!?

大丈夫です。一人で帰れますので。」


初めは断ったユカだったが


「いーや!大丈夫じゃないね!
こないだだって、強がって一人で
帰ったら案の定あ〜なっただろ?」


「!!

あ、あの時はっ…!」


「あん時はたまたま俺が助けに行った
から未遂で済んだものの、もし俺が
いなかったらユカちゃんあのまま
アイツらにまわさ…」


「わ、わかりました!
あの時は助けていただきありがとう
ございました!
ご迷惑をおかけして申し訳ありません
でした!」


それ以上あの忌まわしい事件を
思い出したくなかったユカは
ケントの言葉を遮って謝罪し、
拒否するのを諦めた。


「ユカちゃんがピンチの時は
俺がいつでも助けてあげるから。」


「……………………。」


実に紳士的な言葉だが、
好きでもないむしろ苦手だった男に
言われても素直に喜べなかった。


かと言って、命の恩人である彼を
蔑ろにするのも気が引ける。


ユカの胸中は複雑な想いに
覆われた。





職場を出ると、ケントの車に乗せられた


変な緊張感で、手に汗握る。


「……………………。」


…またこの前みたいに抱きつかれたら
どうしよう…



警戒心から、ケントに話しかけられても
会話が続かなかった。


「もしかして緊張してる?」


「……はい。」


「ユカちゃん彼氏いるんだっけ?」


「はい。」


「なら、手出さないから大丈夫。」


「……ありがとうございます。」


本当に家に着くまで何もされなかった。


エントランスで見送ってそのまま解散。


ほんの、ほんの少しだけユカの警戒心が
薄れた。


翌日も、半強制的に車で自宅まで
送られた。


その翌日も、さらに次の出勤日も
それが続いた。


ケントはまったく怪しい行動は見せる
ことなく、ただユカを家の前に降ろし
笑顔で手を降って走り去っていくだけ。


ケントを信用してもいいのだろうかと
ユカは自問自答を繰り返した。


それと共に回数を重ねるごとに大きくなる
ショウヘイへの罪悪感。


いずれ職場の人に変な誤解を招いてしまう
ことも有り得る。


もう送ってもらわなくてもいいように
ユカはケントを呼び出した。


「ずっと毎日こうして送っていただくのも
申し訳ないので、もう大丈夫です。

今日から一人で帰れます。

今まで、ありがとうございました。」


ケントが気を悪くしないよう
なるべく言葉を選んで伝えた。

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