ブログランキング8

いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

  • 記事数 2944
  • 読者 704
  • 昨日のアクセス数 31546

テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/11 15:47:53

  • 76
  • 0

「お疲れ様でしたー。」

「また明日。」

今日はバレンタインデー。

早番だったあたしは、この足でチョコレートを買いに行くつもり…

だった…んだけど…

「……」

店を出てすぐ。

見覚えのある人が、あたしの前に立ちふさがった。

「……」

え…えー…と…

あ、あたしが左に寄ればいいんだ。

そう思って、道の左端を歩くと…

「……」

その人は、あたしの前に仁王立ちした。

「う…」

つい、眉間にしわを寄せて見上げた。

「この前、俺と紅美がいちゃついてるの、コッソリ見てたよな。」

「えっ…」

こっ…この人だったの!?

なんで!?

なんで知ってるの!?

あたし、ちゃんと隠れてたのに!!

「え…み…見てたって言うか…偶然…」

「ほんとか?他意はないのか?」

「た…他意って…そんなのっ、ないです…!!」

なっ何なの!?

「ふーん。ならいーや。」

「…え?」

「ここで働いてんのに、紅美に言ってねーみたいだからさ。何か企みでもあんのかと思って。」

えっ!!

なんで知ってるの!?

「なんで知ってるの?って顔してるな。」

え…エスパー!?

「志麻の妹だろ?」

「そ…」

そこまで知ってる!?なんでーーーー!?

「俺、咲華の双子の兄。」

「え!?」

あ!!

そう言えば…

「そ…そっくり…」

「そっくりなのに、分からなかったんだな?」

「う…は…はい…」

「ほんとに志麻の妹かよ。」

「…す…すいません…」

ズキズキする。

この人…す…すごく…

ストレートだ…。


「で、海の許嫁だった、と。」

「……」

ズキズキ…

…え?

「…海?」

「あー、ダチだからな。」

「…ダチ…」

あたしは、少しポカンとしたかもしれない。

海くんに…そういう人…いたんだ…

しかも…

お兄ちゃんの彼女の…双子のお兄さん。


「海とは、向こうで一緒に暮らしてた。」

「……」

あたしは口を開けっ放しにしてたかもしれない。

海くんが…

二階堂以外の人と…共同生活?


「あいつ、変わったよ。」

「…紅美ちゃんとは…」

「紅美とは、お互いちゃんと終わらせたみてーだ。」

「……」

「あんたは変わらなくていーのか。」

「え…?」

「この店、稼ぎ時は厨房以外も忙しいの、分かってんだろ?」

「……」

「その傷のせいで前に出たくないのか、前に出たくないのをその傷のせいにしてるのか知らねーけど…」

ズキズキ…

「二階堂を出たのに、何も変わってないんじゃねーの。」


…仕事は順調。

映とも…順調。

そう思えてたのは…

あたしにとって、快適な環境が揃ってるから。

お店の…しかも厨房だけと、部屋の往復。

たまには帰って来いと言われても、二階堂の人達に顔向けできないからって一度も帰らない。

嫌な事には背中を向けて…気付かないフリしてる。

…この傷だって…

どうして…治す踏ん切りがつかないのかと聞かれると…


あたし…もしかして…

海くんの事…




恨んだままなのかもしれない…。

同じテーマの記事

コメント0

しおりをはさむ

関連するブログ記事

  1. 37th 67

    08/12

    もう六月。一カ月が早い。幸い、事故の後遺症は何もなく...

  2. 37th 68

    08/12

    「…朝子の怪我がなくても、紅美とは続かなかったよ。」海く...

  1. 33rd 37

    07/14

    桐生院家を出ると、外に…男の人がいた。あきらかに、家の中...

  2. 37th 59

    08/11

    忙しい映が動いてくれてるんだ。あたしだって、動かなきゃ。...

このページのトップへ

GIRL’S TALKにログインする

Ameba新規登録(無料)はこちら

10/18 編集部Pick up!!

  1. 子あやし疲れ少し休憩していたら
  2. 子連れに謝罪され感じたこと
  3. 付合い辞めたら悲劇のヒロイン化

人気ブログ記事ランキング

  1. 1

  2. 2

  3. 3