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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/10 11:49:51

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「……」

「……」

朝子が働いているという『あずき』

仕事帰りに寄ってみると…ハリーと出くわした。

しかも…

「ごめんなさいね~。混んでるから。」

…相席。

事務所では特に俺が話す事はなくて。

だいたい…詩生か希世が話してる。

彰は相変わらずの人見知りぶりを発揮していて。

まあ…プロデューサーと言っても、年に数回しか会う事もなかったから、仕方ねーけど…

彰はいまだに、ハリーの事を『あの外人』と言ったりする。

…だけど、評価はしてるんだよな…。


「なんや。アサコと上手くいっとんかいな。」

「…おかげさまで。」

朝子がハリーに俺との事を相談したのは聞いた。

今後は、ハリーに相談するような事がないようにするから、と約束もしたし…

もし、何か俺との事で誰かに相談したくなったら…

華月に。と言った。

できれば、異性に相談して欲しくない。と、正直に言うと。

「うん。分かった。そうする。」

朝子は…本当に素直にそう言った。


「おまえは、プライベートが充実してなくても音は変わらへんけど、充実すると格段良うなるよな。」

「……」

親子丼を食べながら、ハリーが言った。

…今、さらりと褒められたのか?

「それは、どうも。」

小さく礼を言って。

「ロースカツ定食。」

オーダーをする。

朝子のおススメだ。


「Live aliveの時に思うたんやけど…」

「何。」

「おまえ、DEEBEEに物足りなさ感じてへんか?」

「……」

水を飲もうとグラスを持ち上げた手が…止まった。

「図星やろ。」

ハリーはそう言ってニヤリと笑った。

「…何でそう思う?」

水を飲まないまま、俺は指を組んでハリーを見た。

「ずっとおまえらの音聴いて来たやん。せやから、あのイベントでおまえの音聴いた時、一発で…」

「……」

「おまえが、あいつらの上を行ってる事に気付いたで。」


俺は…あのイベントで…

高原さんに、Deep Redで数曲弾かないか。と言われて…

ゼブラさんのヘルプとして…一緒にステージに立たせてもらった。

その話をもらった時。

胸が高鳴った。

もっと練習しなくては。

そう思わせれた。


DEEBEEに不満はなかったし、詩生の声の調子で弾き方を変える事や、彰と希世とで競うように音数を派手にしてみたり…

そういう事も楽しかったし、ずっと続くと思っていた。

…が…

Live alive当日…

思わぬ事が…俺に起きた。

俺と同様、高原さんに誘われてDeep Redのステージに立った…ノンくんこと、桐生院華音。

DANGERのギタリスト。

神千里と桐生院知花を両親にもつサラブレッド。

…俺も、一応サラブレッドだと思っているが…

格が違うのも分かっている。


そのノンくんは…

ヘルプにも関わらず、Deep Redメンバーの度胆を抜くようなギターを弾いた。

あの瞬間、俺に…

今まで、湧いた事がないような感情が生まれた。


俺に生まれた感情。

それは…

才能への嫉妬。

今まで、誰にも抱いた事のない…嫉妬だった。


ノンくんは…俺とはイトコに当たる。

俺達には、あの世界のDeep Redのフロントマン、高原夏希の血が流れてる。

何が…違うんだ?

誰もを唸らせたのは、ノンくんのギターだけじゃなかった。

コーラスの力量も、だ。


彼の才能は…俺に嫉妬させ、昔から僅かながら持ち合わせてしまってた劣等感を大きくさせた。

負けたくない。

そう思った途端…

俺のベースも…普段からは考えられない音を出した。

それを見たノンくんは、楽しそうにギターを弾いた。

触発された。


あれから…

俺の中に変化はあった。

だが、DEEBEEに対する不満じゃない。

ただ…

何かを欲している感じは…ある。


「ま、今はまだええねん。」

「はい、お待ちどうさま。」

ハリーの言葉と共に、定食が運ばれてきた。

…おススメだけあって、美味そうだ。

「…今はいいとは、どういう意味だ?」

割りばしを手に問いかけると。

「そのまんまの意味や。これからもDEEBEEでやってく気があるんなら、メンバーとしっかり話した方がええで。」

ハリーはそう言って。

「おかみさん、ビール。」

ビールを追加した。

「…ふっ。やってく気があるかって。俺にはDEEBEEしかないし、メンバーともちゃんと話してるつもりだけどな。」

「そっか?俺はもっと上に行ける思うで。」

「上?」

「例えば…」

「……」

「F'sとかな。」

「…………バカな。」

あまりにも突拍子のないセリフに、笑いすら出なかった。

呆れた顔でそう言って、俺は飯に手を着ける。

…うん。美味い。

しかも、話に聞いていた通り…初めて来た俺は大盛りらしい。


「F'sはもうすぐベースが空くで。」

美味い飯を食い進めるはずだった。

だが…それ以上に…

ハリーが口にした話に…俺は食いついてしまった。

…F'sのベースが…空く?

「…臼井さんは?」

「もう歳やしな。そろそろ引退考えてるんとちゃうか。」

「具体的に話が出てるわけじゃないんだな?」

「出てたらどうする?移籍するか?」

「…………バカな。」

ショックだった。


ハリーの『移籍するか?』の言葉に…


即答できなかった俺は…


DEEBEEを…本当はどう思ってる…?

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コメント2

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  1. ヒカリさん(99歳)ID:6582718・08/11

    エミリーさん
    あっ、気付かれちゃった(*´∀`*)
    でも実はノン君て映世代の子達(DEEBEEとかの)から見ると、ちょっと高い位置にいる人な括り設定なんです。
    堂々とイトコ!って言えるようになったのもかくかくしかじかで遅いので…←この辺前回曖昧にしてたとこ

    実は、もっと仲良しでもいいのに!的な人達わんさか!(ノ∀`)アチャー

  2. エミリーさん(102歳)ID:6582462・08/10

    そう言われれば映くんとノンくんって
    お父さん同士も仲良しだしもっと絡みがあってもおかしくないんだよね。
    イトコって言われて気づきました∑(゚Д゚)

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