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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/10 10:51:12

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「志麻、朝子はどんな様子?」

本部のロビーで声をかけられ、振り向くと空お嬢さん。

「お気遣いありがとうございます。元気にしています。」

「そう…ならいいけど…」

お嬢さんは、ホッとした顔で小さく溜息をつかれた。

…二階堂のみんなが、朝子を心配する。

まあ…当然か。

ずっと二階堂で暮らして来て。

外の世界を知らなかった。

短大は桜花に行ったが…朝子は自分でも浮いていると気付いていたからか、友達さえも作らなかった。

…作り方が分からなかったのかもしれない。


桜花の短大に進むこと自体も…両親は反対した。

とにかく、朝子を外に出させたくなかったようだ。

だから…今回の一人暮らしは、両親には相当堪えている。

…一人暮らしをしたからと言って…

何も、あの事がバレたりはしないのに。


「ボスとの事ではご迷惑をおかけしましたが…」

俺がお嬢さんに頭を下げながら言うと。

「やめてよ。煮え切らない兄貴にずっと心傷めてたのは、朝子なんだから…。」

お嬢さんは、沈んだ声。

「ほんと…やな男だよね。今じゃすっかり…冷血漢みたいな顔しちゃってさ…」

「…あんな事件があった後ですし…」

現在ボスはアメリカ本部で働いているが…

朝子との婚約を破棄する少し前に…

一般人を死なせてしまった。

…直接ボスがそうしたわけじゃない。

誰のせいでもない。

むしろ…犠牲者が一人だけだったのが奇跡的でもある。

…しかし、俺達の仕事は、犠牲者を出さない事。

その件でボスは精神的にまいっていたと思う。

そこに不安定な朝子まで背負って…どんなにお辛かった事か。

それゆえ、俺も…婚約破棄に関しては、朝子のためもだが…ボスの精神的ストレスを少しでも減らして差し上げたいと思った。

どう考えても…

ボスは、朝子を…


大事にしてくれる気はあったと思うが…

愛してはいなかった。


「…ごめんね、志麻。何度もあっちに行かせて。」

お嬢さんが溜息交じりに笑顔で言った。

「いえ、私も勉強になりますから。」

この夏からの俺の渡米回数は、かなり多い。

「でも、いつまで経っても結婚の話も進んでないんじゃない?」

「…あ、その件でしたら…先方の都合もありますので。」

「本当?志麻が待たせてるんだったら…早めに迎えに行ってあげなさいよ?」

「…ありがとうございます。」


咲華とは…婚約して一年が経とうとしている。

本来、今年中に…と思っていたが…

仕事が多忙極まりない。

咲華もそれを分かってくれている…はず。

ただ…

咲華の親父さんから…

「おまえの仕事は危険すぎる。正直、今のままだと娘を嫁にやりたくない。」

と…正直に言われた。

…当然だ。

大先輩である浩也さんは、若い頃に俺と同じポストで。

家族が身を狙われる事が多発し…二度、顔を変えられた。


早く…と、思ってしまう。

早く、二階堂が秘密組織ではなくなって。

俺達の立場も…



『影』でなくなる日が来れば…と。

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