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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/10 06:58:57

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あたしは早番だったけど、映くんは取材やテレビ収録があったらしくて。

結局…それらが終わって、うちに来ることになった。

うちでいいのかな…って気持ちがなくもなかったけど。

だけど…

あたしは…『さよなら』って書いた事を後悔してるって…

ちゃんと言葉に出す練習もしたくて。

部屋で待っていたいと思った。


「あの…『さよなら』のメールについてなんだけど…」

いや、いきなりそれ?

まずは違う話から…

「…ハリーの件だけど…」

いや、それも『いきなり』だよ…


あたし…

たぶん余計な事言い過ぎなんだよね…

言い訳してって言われた時、全部素直に話すのが誠意だと思ったけど…

こういうの…みんなはどうしてるのかなあ…

…他の男の人の名前を言うなんて、ちょっとあり得ないか…


…もう、過ぎた事よ。

ハリーの言う通り、あたしは傷付くのが怖くて予防線張り過ぎてるんだ。

映くんからさよならって言われるのが怖くて、しばらく会わない間に勝手に『もうダメだ』って思い続けて…

それで終わらせてしまうなんて…

映くんは何も悪くないのに、こうやってあたしに振り回されて…

…うん。

あたし、ひどいや。

ちゃんと会って…謝って…

前向きに考えたいって言おう。

あたし、映くんの事好きだから。

あの、さよならメールも…ごめんなさいって…ちゃんと謝ろう。


何となく落ち着かなくて、キッチンであれこれと野菜を切った。

これは浅漬けにしよう…

これは下茹でして冷凍保存…


そうやって黙々と作業してると。

ピンポーン

はっ。

来た!!


「…はい。」

ドアの前で言うと。

『…俺。』

映くんの声。

あたしは…ゆっくりドアを開けて…

そこに映くんの姿を見て。

「…映くん…」

「朝」

映くんがあたしの名前を言いきらないうちに。

抱きついた。

「えっ…」

映くんが驚いてる。

そう…そうよね。そうよね。

あたしからさよならって言ったクセに…


でも。

会いたかった。

だから、顔見たら…もう、止まらなかった。


「ごめん…映くん…」

映くんの胸で小さくそう言うと。

「……」

映くんは無言のまま…あたしをギュッと抱きしめた。

「…俺こそ、悪かった。」

顔を上げると、映くんはあたしの頬に優しく触れて。

「…まずは、入っていい?」

小さく笑いながら言った。

「あ…ほんとだ…ごめん。」

あたしも小さく笑う。

…良かった…笑ってくれてる…。


部屋に入って、映くんはもう一度あたしを抱きしめて…

「ごめん。俺…朝子ちゃんの事、よく知らないクセに…勝手に作ったイメージで固めてたと思う。」

あたしはその言葉に、少し戸惑った。

勝手に作ったイメージ…

それって、きっと…すごくいいイメージだよね…

「だから、今夜はちゃんと色々話したい。」

「…色々…?」

「ああ。お互いの事。」

「…でも…それでイメージとますますかけ離れて行ったら…」

あたしが不安を口にすると。

「それはないよ。」

映くんは…即答。

「もう、勝手に作ったイメージは捨てた。」

そのイメージがどんな物なのか…聞きたい気もしたけど…

「目の前の朝子ちゃんを、知りたいって思ってる俺が居るから。」

あたしは…その映くんの言葉に…

泣いてしまった。

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