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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/09 21:51:15

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「映、具合でも悪いのか?」

プライベートルーム。

至近距離で詩生に言われた。

…男のクセにきれいな顔をしてる詩生。

見慣れてるはずなのに、少し照れた。


「…そんなに近寄られると、うっかりキスしそうになるからやめろよ。」

「わ…笑えねーな…」

「確かメンバーの中では俺がダントツだな。」

「…頼む…もう忘れてくれ…」

詩生は酔っ払うと男も女も関係ない。

とにかく…目の前にいる奴全てが愛する華月に見えてしまって…

『華月…好きだ…』

熱いまなざしでそう言って、キスをする。

いや…して『いた』んだ。


大失敗をしてからと言う物…詩生は一滴も酒を飲まない。

まあ…それまでに散々唇を奪われてた俺は、詩生の断酒には大賛成だった。


「…映。」

「ん?」

「何か…悩んでないか?」

「…あ?」

「何か一人で抱え込んでるなら…言えよ?」

「……」

それは…

恋愛に関して…か?

それとも、バンドの事か?


まあ…どっちにしても、俺は誰にも何も言わないけどな…

自分の悩みなんて、誰かに解決してもらうような物じゃない。

それに、目下の悩みである朝子ちゃんの件は…

…一方的に終わらせられたしな…


それでなくても…落ち込むのに。

…ハリーが、事務所と契約した。

もう、ガッツリDEEBEEにかかりきりになる。

…気が滅入る。

あいつの顔見るたびに…朝子ちゃんと…って思ってしまって。

はあ…


心配する詩生を置いて、プライベートルームを出る。

今日は雑誌の取材やテレビ収録が控えてるが…

俺と詩生はいつも、つい早く来てしまって時間を持て余す。


あー…

空いてるスタジオでも見付けて、少し寝てようか…

ただ暇なだけの時間は…今の俺にはない方がいい。


「あ、映。」

呼ばれて振り向くと…詩生の彼女、華月がいた。

「ああ…久しぶり。」

…ほんとこいつ…よく詩生と復活したよな…

他の女妊娠させたのに。


「あの…さ。」

走り寄って来た華月は、小声で。

「…朝子ちゃんと、上手くいってる?」

思いがけない事を聞いて来た。

「え?」

「付き合ってるんでしょ?」

「…惜しいな。フラれた。」

「えっ…」

華月は目を丸くして驚いてる。

…て言うか…

「朝子ちゃんと知り合いなのか?」

「うん…まあ。」

「…俺達が付き合ってたって、彼女から?」

「うん…でも…朝子ちゃんが映をふるなんて…信じられないな…すごく好きみたいだったけど…」

華月は周りを見渡して、誰もいない事を確かめてから。

「朝子ちゃん…ちょっと特殊な家に生まれたから、分からない事だらけなんだと思うの。」

そう言った。

「特殊な家?」

「うん…まあ、いわゆる箱入り娘ね。」

…その辺は…許嫁がいたり、テレビをほぼ見た事がないって言うあたりで、何となくは…

「だから、恋愛経験なんてほとんどないようなあたしにでも、相談しなきゃどうしていいかわからなかったんだと思う。」

「…相談?」

「あ…」

華月は『しまった』って顔をしたけど…まあ…だいたい想像はつく。

「…他の男の名前を呼んだ…ってやつか。」

俺がそう言うと。

「…泣きそうになってたよ…」

華月は目を細めた。

「…おまえさ…」

「え?」

「詩生が…他の女とあんな事になったのに、何で許せた?」

「……」

その瞬間。

華月は少し長めの瞬きをした。

「何で、って聞かれたら…」

「うん。」

「好きだから。としか言えないよね。」

「……」

「許せたって言うより、許すしかなかった。だってあたし…詩生の事好きだもん。その一度の事を許せなくて別れるなんて…あたしには無理だった。」

華月は一度食いしばって。

「それだけ。」

笑顔になった。

自分の悩みは誰かに解決してもらう物じゃない。

そう思ってたクセに…

俺は…


「華月。」

「ん?」

「サンキュ。」

「え…どうしたの?」

「おまえが詩生を許してくれたから…今の俺達があるし…」

「……」

「俺も、動ける気がする。」

「…動ける…?」

「いや…朝子ちゃんに連絡してみる。」

俺のその言葉に華月は。

「…あたし、映と朝子ちゃんって、お互いが成長出来る関係なんじゃないかなって思うよ。」

さすがモデル…

っていうような、笑顔を見せた。

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