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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/09 16:20:37

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「久しぶりね、朝子ちゃん。」

目の前の華月ちゃんは…それはもう…

女のあたしが見ても、目がくらむほどの輝きを放ってた。


「ご…ご無沙汰してます…」

「もうっ、そんなに余所余所しくしないでよ。一緒にお風呂に入った仲じゃない。」

…そうだ。

一緒に温泉に行った。

あの時は、華月ちゃんと紅美ちゃんのスタイルの良さに、コンプレックス感じまくったんだっけ…

…どこまでもマイナスなあたし…


あたしは、どうしても…誰かに恋の相談がしたくて。

兄に頼んで、華月ちゃんの連絡先をゲットした。

…兄の彼女、咲華さんでも良かったんだけど…

どうも咲華さんは…なんて言うか…

ちょっと、あたしと同じ匂いがする。

あまり恋愛経験がなさそう。

かと言って、華月ちゃんが恋愛豊富かと聞かれると…

これもまた…微妙だけど…


でも。

華月ちゃんの彼氏は。

映くんのバンドのボーカリスト。

何か色々ヒントになるような何かが…ないかな…


「それで、何?相談って。」

華月ちゃんが待ち合わせに指定したのは、『カナール』っていうお店だった。

ダリアだと知った顔が絶対居るから。って、このお店に。

紅茶が美味しいんだよ。って言われて、あたしは華月ちゃんと同じ『バニラ』をオーダーした。


「あの…」

「うん。」

「あたし…婚約破棄…」

「あ…そうだってね。何があったか知らないけど…大丈夫なの?」

「う…うん。あたしは…もう、その…」

「ん?」

「彼氏が…いて…」

「えっ。」

華月ちゃんの驚きは、あたしをも驚かせた。

目を丸くして華月ちゃんを見てると。

「あ…ごめん。だって朝子ちゃん…すごく…一筋っぽかったから…」

華月ちゃんも、目を丸くして言った。

「うん…すごく一筋だった…」

「だから…正直、海さんの方から…?って思ってたんだけど…」

「そう思うよね…それは…まあ、もう…いいんだけど…」

つい、しどろもどろになってしまった。

海くんとの事、あたしはもう…いいかなって思えるぐらいになってるけど…


「あのね、華月ちゃん。」

「うん…」

「あたし…バカだから…」

「……」

「彼氏と…その…あの最中に…その…あの時に…」

「……」

「…海くんの名前…言っちゃって…」

華月ちゃんの目が細くなった。

口も開いてる。

…やっぱ、最悪…よね…?


「う…うーん…それで…彼は?」

「…怒ってない…って言うけど、たぶん怒ってる…」

「…だよね…うーん…これは…あたしに相談しても…」

「…そうだよね…ごめん…でも、誰かに聞いて欲しかったのかも…」

そうだよ…

残念なあたしには、恋愛相談をする友達もいない。

こうやって行き詰まった時、どうしたらいいの?


「…ちなみに、彼氏は何歳?」

「…あたしより、一つ上…」

「じゃ、あたしと一緒ね。」

「…映くん…なの…」

「…………え。」

「……」

華月ちゃんの口が『え』のまま止まってる。

そんな顔してても可愛いなんて、ずるい。

そんな事を考えながら…

あたしは…華月ちゃんが何かいいアドバイスをくれないかなあ…

なんて、華月ちゃんを見つめた。


「え…映って…DEEBEEでベース弾いてる…映?」

コクコク。

「あの、東映?」

コクコク。

「…い…いつから…?」

華月ちゃんは『信じられない』って顔で、そう問いかけた。

「…彼は…去年の春から…あたしの事知ってたみたいで…」

「朝子ちゃん…婚約破棄したのって…」

「…先々月。」

「…で、映とは…それから始まったの?」

「うん…」

「そっか…」

あたしは、あの時の映くんの様子を、華月ちゃんに話した。

意地悪言うのはこれが最後って言われたけど…

あれから映くんは、ずっと…

あたしの事…『朝子ちゃん』って…メールして来る。

それがあたしには…一線引かれた気がしてたまらない。


「うーん…」

華月ちゃんは可愛い顔にしわを寄せてまで、考え込んでくれてる。

「映はサバサバしてるけど、あまり人に自分を見せないって言うか…」

「自分を見せない…」

「うん。今の絶対傷付いたよねって思うような事があっても、全然平気って顔してたりさ。」

「……」

「バンドメンバーも、映の本心が分からないって言うぐらいだし…」

本心を見せない…

そんな映くんを傷付けてしまった。

もしかしたら、あたしには…少しでも心を許してくれてたかもしれないのに…


「…あたし…映くんのおかげで、海くんとの事…思い出って言うか…もういいって思えるようになったのに…」

映くん…もう、あたしの事なんて…好きじゃなくなったかな…

言い訳してくれって言われて…海くんの話をしたけど…

映くん、どう思ったんだろ…


「その時以降、会ったの?」

「ううん…メールだけ。」

「会いたいって言ってみたら?」

「え?」

「会いたいんでしょ?」

「……うん。」

そうか。

そうだよ。

あたし…本当ダメだな…

映くんの反応が怖いってばかり思って。

自分の気持ち…出せてない。

会いたい。

会って、映くんの顔が見たい。

顔を見て、話したい。


「ありがとう、華月ちゃん。」

あたしが華月ちゃんの目を見て言うと。

「…こんな事言ったら、海くんには悪いけど…」

華月ちゃんは髪の毛をかきあげて。

「朝子ちゃん、今…いい顔してる。映の事、本当に好きなんだね。」

そう言って笑ってくれた。

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