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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/08 22:18:59

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「だけど栞は…」

「……」

「俺に、それは親父の子供だって言いに来たんだ…」

「……」

もう…

横山姉妹…

なんで…

なんで、ノンくんをこんなに苦しめるの!?


「あれが…決定的だったかな…」

「決定的…?」

「あれで、栞を信じられなくなった。」

「……」

「だけど一緒に産婦人科には通った。俺は…産むことに反対したけど…栞は俺が何も知らないと思って、ずっと…『神千里の赤ちゃんを産むんだ』って嬉しそうに言ってさ…」

もう、聞いてるあたしが苦しくなって。

つい…ノンくんの左手を握ってしまった。

ノンくんは少しあたしを見て…小さく笑った。


「でも、栞は流産して…」

「……」

「色んな事で悩んで苦しんで、栞が『死にたい』って言い始めた時…俺は…栞の手を離した。」

「……」

「もう…信じられなかった。」

ノンくんは…

誰にも言えないまま…

ずっと、想いを胸に閉じ込めたまま…

今日まで一人で、栞さんの事を…

「…今となってはだけど、あの時ちゃんと俺が栞を諭して、話を聞いてやってれば…って思」

「違うよ。」

あたしは、ノンくんの言葉を遮る。

「もう、何言っても…栞さんは死んじゃってたよ。」

「……」

「身から出たサビって…言っちゃ悪いけどさ…」

あたしは…静かに怒ってた。

許せないよ…

「…死んだ人の事、悪く言いたくないのは分かる。だけど、ノンくん…どうして今まで打ち明けてくれなかったの?」

「……」

「こんなの、ずっと溜め込んで…」

ノンくんはウインカーを出すと、車を駐車場に入れた。

気が付くと…事務所についてて。

「上で話そう。」

ノンくんはそう言って車を降りた。


無言のまま、エレベーターに乗る。

隣にいるのに、ノンくんの顔…見れない。

あたし…このまま吐き出させちゃっていいのかな…

もしかしたら、ノンくん…本当は思い出すのも嫌なんじゃ…?

ごちゃごちゃ考えながらも、プライベートルームのドアを開けて入ると。

「飲むか?」

ノンくんは冷蔵庫を開けて、あたしを振り返った。

「車は?」

「置いて帰る。」

「…じゃ、飲む。」

たぶん…飲まないと話せないんだ。

そう思って、付き合う事にした。


「…親父を侮辱された気がして、栞を許せなかった。」

ノンくんが、小さく言った。

「…うん。」

「…栞が死んだ後…遺書が届いた。」

「……」

「便箋にびっしり…親父のどこが好きだったか…なんで俺に近付いたか…それから…男達に襲われた事や、妹である薫との不仲に苦しんでた事…」

ノンくんは、もう…三本目。

いつもより、すごく速いペースで飲んでる。

「後半は…思い出ばかり書いてた。」

「…薫さんもさ、さっき…すごく楽しい思い出話したよ。」

「…ああ。」

「薫さんもだけど…栞さんも、後悔してたんだね…きっと。」

「……」

「ノンくんも、もっと早く打ち明けられたら…」

「……」

「栞さんの事、悲しい思い出じゃなくて、笑ってた思い出だけを大事に出来たかもしれないよ。」

ノンくんは小さく笑ってうつむくと…

「死んだ奴の事を…ああだこうだ言いたくなかった。」

ノンくんらしい事を言った。

「だけど…本当だな…さっきの薫の思い出話聞いてたら…」

涙が。

ノンくんの目から、落ちた。

「栞の葬儀で…俺は冷たい言葉しか出さなかった。俺のせいじゃない。なんてさ…」

「…ノンくんのせいじゃないよ。」

あたしは…ノンくんの隣に座って、頭を抱きしめる。

「栞さんも、解ってたよ。自分のせいだって。だから…そうするしかなかったんだよ…」

ノンくんの涙を拭うと…ノンくんが顔を上げた。

「……」

「…付け込んでいい?」

あたしがそう言うと、ノンくんは『え?』って顔をしたけど…

あたしは…


ノンくんの頬を両手で挟んで。

「…アッチョンブリケ。」

そう言った後…

深い…深いキスをした。

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コメント7

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  1. ヒカリさん(99歳)ID:6581803・08/08

    ミウさん
    お客さん、一触り2500円です。←有料⁉︎

  2. ヒカリさん(99歳)ID:6581802・08/08

    ワカナさん
    わー☺️
    カワイ村(笑)
    私のネーミングセンス、どうなのー‼︎ですよね。

    またいつか、あんな企画してみます!

  3. ヒカリさん(99歳)ID:6581800・08/08

    コマチさん
    もう下書きしてるので無理ではないのですが、友人からの鬼LINEが^^;

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