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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/08 13:29:40

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「…帰るか。」

飛行機を見送りながら、ノンくんがつぶやいた。

「…うん。」

あたしはバスだったけど、ノンくんが車で来たと言う事で…

二人で駐車場に向かう。

歩きながら…特に言葉を探さずに無言でいると。

…手を取られた。

「…何。」

「手繋ぎたいだけ。」

「……」

ノンくんを見ると、ノンくんは…そっぽ向いてる。


「…あたしの事、好きなの?」

聞いてみると。

「まあ、そうだな。」

…何だか、煮え切らない返事。


何だろうな…

あたし、あまり…嬉しく感じてない。

そもそも…

周りはみんな、あたしがノンくんを好きだって言うけど…

どうして?

あたしの気持ちなのに、みんなには分かって、あたしに分からないってどう?

そりゃあ…一時期は…好きかも…って思った事が…

あった。

ような気がする。


でも、本当にそれって、壊れたい時にそばにいて。

何かと触れてたと言うか…

寂しさを埋めてくれてたから。みたいな…感覚?


うーん…分かんない。

気付いてないだけって言われても、誰かを好きな気持ちに気付かない事って、あんの?

…そりゃ…

さっきキスされた時…

一瞬にして、思い出しちゃったよ…

ノンくんと…寝た時の事。

とりあえず、ノンくん…

酔っ払って寝た時の事しか言わずにいてくれたから…

沙也伽からも、覚えてないなんて残念だね~なんて言われたけど…


…覚えてないどころか…

ちょっとした事で、『愛してる』って言われた、あの…ちょっといい声を思い出したり…

酔っ払って寝た後、今度はバスルームでしてしまった事とか…

ノンくんの部屋でしてしまった事とか…

思い出すと、ちょっと…眉間に力が入ってた。

それは、嫌だから。

って言うんじゃなくて…

何なんだろ…

…いや、ダメダメ。

今思い出すのはやめようよ。

…でも、手繋いでると…

なんか…


「…ノンくん、ちゃんと女の子と付き合った事ないから、免疫ないってほんと?」

あたしが思い出したようにそう言うと。

「…重要な事か?」

ノンくんはあたしを見ずに、低い声で答えた。

「知りたい。」

うん…知りたい。

確か、曽根さんも言ってたよね…

誘われて遊びに行く事はあっても、自分から行く事はなかったり…

特定の彼女は作った事がない。って。


「…そうだな。ちゃんと付き合った事はないな。」

ノンくんは、溜息交じりに言った。

「だから、おまえに『振り回されてる』って言われても、分からなかった。」

「え?」

「言ったろ?俺に振り回されて疲れたって。」

「……そうだっけ…」

「なんだ。覚えてないのか。」

車にたどりついて。

助手席に乗り込むと。

「紅美。」

ノンくんは、真顔で。

「…俺は、おまえが好きだ。」

あたしの目を見て…言った。

「だけど、おまえの気持ちを、おまえ自身がハッキリ分かるまで…」

「…分かるまで…?」

「…手は出さない。」

「……」

「…帰るぞ。」


車がゆっくり走り出す。


確かに…

あたし自身が、気持ちをハッキリさせなきゃ…

うん…


ノンくんは…

唇を触ってない。

ずっと。


あれ…もしかして、ガセだったんじゃ…?

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