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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/08 10:11:55

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ああ…

こうやって、紅美ちゃんを抱きしめるの…

もう最後かなあ…

すぐそこで、約一名。

すごくおもしろくなさそうな顔してるハンサムがいるんだけど。

僕は、そんなの無視して紅美ちゃんを抱きしめた。

いくじなし。

僕の事、散々説教してたクセに。

自分の幸せを追い求めない男って…

何だかカッコ悪いよ。


紅美ちゃんに、一言…

好きだって言えばいいのに。

ほんっと、じれったいし…イライラするし…

腹が立つ。


僕や海くんを立てて、結局僕らがダメになるのを待ってたんじゃない?って。

そう思いたくなるよ。


だけどノンくんは本当に不器用で。

それは…

思いがけない場所で知ることになった。

まあ、あの面白いやつは…

沙也伽ちゃんの悪阻防止にでも、送ろうかな。


「紅美ちゃん…」

体を離して、紅美ちゃんを見つめる。

「…最後に…キスしていい?」

「え?」

「駄目だ。」

すかさず、紅美ちゃんの後ろからノンくんが声をかけた。

「あはは。なんでノンくんが答えるのさ。僕は紅美ちゃんに聞いたんだよ。」

「駄目だ。」

僕が紅美ちゃんの目を見て首をすくめると。

チュッ。

「……」

「……」

紅美ちゃんから…キスしてくれて…

僕は…固まった。

そして…

ノンくんも固まってる。

「あ…」

「沙都、色々ありがと。ずっと応援してるからね。」

紅美ちゃんは…

僕の大好きな笑顔の紅美ちゃんで。

何だか急に、泣きたくなった。

紅美ちゃん。

僕、ほんとに…

紅美ちゃんの事、ずっと好きだよ。

これからもずっと、紅美ちゃんのために…

紅美ちゃんに捧げる歌を、歌っていくから。

誰かのものになっても…

ずっと、聴いてて。

僕は、それだけで…幸せだから。


涙目になった僕に、紅美ちゃんは優しく笑って。

「泣き虫沙都。」

僕の頭を、わしゃわしゃと撫でた。

「…昔の話だよ…」

「今も変わんないよ。」

「……」

ずずっと鼻水をすすって。

「…最後に…やり残した事あるんだった…」

胸を張る。

「ん?」

首を傾げる紅美ちゃんの肩に手を掛けて…体を避けて。

ガツッ

紅美ちゃんの後にいたノンくんを、力任せに殴った。

「きゃあ!!」

「うわっ!!ケンカか!?」

周りの人達が驚いて声を上げる。

「あ、すいません。挨拶です。」

僕はそんな事を言いながら、倒れたノンくんの腕を取って…そのまま、抱きしめた。

「……何しやがる。」

ノンくんは居心地悪そうな顔。

「…僕の紅美ちゃんを泣かせたら、ほんっと…承知しない。」

「…知るかよ。」

「僕の事、甘く見てると…」

「見てねえよ。」

「え?」

「おまえはいつだって、俺の脅威だ。」

「……」

「頑張れよ。世界の朝霧沙都。」

ノンくんは僕の背中をポンポンとして立ち上がると。

「紅美。」

「え?」

紅美ちゃんの顎を持ち上げて…

キスをした。


…ああ。

やっと…かな。

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