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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/07 17:40:36

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「おう、華音。来てたのか。」

父さんが帰って来て…

二階堂家の夕食が始まった。

いつもは五人だけど…今夜はノンくんもいて。

六人。


さっきチョコに『嘘ついてる時のクセ』を聞いてしまって。

もう、あたし…

さっきから、気付いたら…ノンくんの手元を見ちゃってる。

しかも…

チョコもそれを見てる。


いや、チョコ…

あんたは見なくていいから。

て言うか…

あたしも見なくていいよ。

駄目だよ!!

そんなのチェックしてたら、ノンくんの本音を試すみたいな事しちゃいそうじゃん!!

チョコのバカー!!

なんでこんなの教えたの!!


「あれ、紅美。飲まないのか?」

父さんにそう言われて。

「え?あ、えー…えーと、飲むよ。」

あたしはグラスの中の減ってないビールを、キューッと飲んだ。


とりあえず…食事中はお箸持ってるし。

嘘ついても分かんないよね。

唇触れないから。

…うん。

今は、ちょっと忘れていよう。


ところが、ノンくんはあまり食事をせず。

やたらとビールを飲み始めた。

お箸も…置いてる。


「沙都はすごい勢いで売れてるみたいだな。」

父さんとノンくんと学は、沙都の話で盛り上がり始めた。

「ほんと、驚きだよなー。あんなに泣き虫だった沙都が独り立ちなんてさ。」

「ま、その内泣きながら帰って来るんじゃねーの。寂しいーってさ。」

はっ…

ノンくん!!

唇触ってる!!

て事は…

沙都が泣きながら帰って来るとは…思ってない…と。

ふと見ると、チョコも目を見開いてあたしを見てる。

ちょ…ちょっと、チョコ。

あんた、あからさま過ぎる!!


「そう言えば、ベーシストの件どうした?オーディション開くのか?」

父さんがそう言うと、ノンくんは『うーん』って腕組みをした。

「実は、白羽の矢を立ててる奴がいるんだけどさ。」

「えっ?」

つい、声を上げてしまった。

「初めて聞いたよ?誰かいい人いるの?」

あたしがそう問いかけると、ノンくんは目を細めて。

「おまえはオーディションがいいと思ってんのか?全然知らない奴と一から始めるのは、俺は苦手なんだよな。」

何とも…ノンくんらしい返事。


「まあ…そうかもしれないけど…じゃあ誰?あたしも知ってる人って事?」

「ああ。」

「えー、誰?」

あたしが頭の中で相関図を展開してると。

ノンくんは。

「今日はちょうどいいのかもしれないな。」

そう言って…

「チョコちゃん。」

いきなり、チョコに体を向けて…じっと見つめた。

「えっ?あっ…は…はい…」

「チョコはベース弾けないよ?」

あたしが笑いながら言うと。

「学を、うちのバンドに就職させてくれないか。」

ノンくんは、チョコに頭を下げた。


「……」

「……」

「……」

「……」

「…えっ?」

えええええ!?

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