ちはるさんのブログ

過去のプラトニックなお話です。

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お見送り

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2017/08/10 09:38:29

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先生をチラッと見ると、私の後ろにある窓から外を見ていた。




私が先生を見ていることに気づくと、


『ん?』


という顔をして、 持っていたカップを私の方へ傾けた。

『コーヒー飲みたいの?』  という意味らしい。




私は慌てて首を振ると、 『あ、そう』 という顔をして、自分で一口飲んだ。





コーヒーを飲んでる姿が格好良くて、その様子をまたチラッと見るとまた目が合ってしまった。



『飲みたかった?』



と今度は言葉で聞かれてしまった。



私は手を振りながら


『いえ、大丈夫です!

・・・欲しそうな顔してましたか』




『うん、なんかじーーーーーっと視線を感じてた。』



『あははは・・・すみません』



『自分のがあるだろ?欲張りなやつだな』



と先生は笑ってる。





ぁぁ神様、こんな幸せなひと時と、先生のこの笑顔を独り占めさせてもらってありがとうございます、ありがとうございます!





本当はもっと先生と話したいのに、緊張してしまってあまり話せない。






飲み物を飲み終えると、先生が腕時計を見て、


『じゃあ俺はそろそろ行こうかな、バスの時間もあるし。

お前はどうする? もう少しここにいる?』



と言って脇に置いていた楽器ケースに手を伸ばした。



私も一緒に出ることを伝えると、 『そっか』 と微笑んで楽器を背負いながらお先にどうぞと手で促した。


いちいち格好良くて、ちょっとした仕草や笑顔にドキドキしてしまって疲れる。







駅のバスロータリーにはもう目的のバスが着いていて、そのバスをみると先生は歩きながら話してきた。




『じゃあお前、ほんとになんかあったら電話しろよ。

あぁは言ったけど、無理しないようにちょっと頑張ってみな。』



『はい、ほんとにありがとうございました』



『ううん、全然全然。 またね。 気を付けて帰ってね。』




そう言って、バスに乗っていった。



先生がバスに乗るとすぐに発車の準備がされた。




先生は私から見えるところの席に座り、私をみると
『あぶなーい、乗り遅れるところだったー』と言いたげに、手を胸にあてて笑っていた。



私もそれを見てつられて笑ってしまう。




発車すると手を振ってくれたので、私はおじぎをして、バスが見えなくなるまで見送った。






あのバスに先生が乗っているんだと思うと、いつまでも見ていたい気分だった。

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