ちはるさんのブログ

過去のプラトニックなお話です。

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たくさんの正論

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2017/08/09 14:15:26

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『・・だから・・・なに?』






ずっと静かに私の話を聞いていた先生の、やっと聞いた声は低くて、冷たかった。




だから・・・ 私は部活をやめたいと思った。




先生は姿勢も、私を見るその冷たい目線も変えずに、じっと私を見据えたまま、また口を開いた。




『だから・・・お前は辞めたいの?』



先生に指摘され、私は黙ったまま頷いた。




『はぁ・・・やっぱりね。
お前の考えてることなんてすぐ分かるよ。』





先生が大きなため息をついて、私は先生を怒らせてしまったと思い動揺する。




『あのね・・・


お前が今辛い立場にあるのは分かるよ。

顧問の先生も、他の子達もさ、今うまくまわってないしね。

でも悪いけど今俺には、お前がなんとか部活を辞められる理由を並べてるようにしか聞こえなかった。



だってさ、お前、辞めてどうすんの?』

 




先生が口調を強め、続ける。







『これで今辞めてさ、お前吹奏楽部にずっと後ろめたさを持ちながら卒業まで過ごすの?

そんなの出来ないだろ、お前には。』




『もし今辞めたら、お前のことだからきっとすごい後悔するだろうし、その後悔はきっと卒業しても続くよ。』




『まぁ・・・後悔したくないから辞めないっていうのも理由としてはおかしいかもしれないけど、辞めたらお前は今より苦しむと思うよ。』





次々とぶつけられる正論に、私は何も言えない。






『最後の3年生だし、お前がコンクールに出たいことに変わりはないだろ?

サックスが好きで、吹奏楽が好きだから今までの厳しい練習にも耐えられたんだろうし。』





先生の口調が段々柔らかくなってきた。


私は必死で涙を堪えていたけど、とうとう溢れてきてしまった。




『部長という立場が今は邪魔してるかもしれないけど、まずはお前から、吹奏楽を楽しまなきゃ。


顧問の先生もそういう姿をまだお前たちから感じてないんじゃない?



◯◯先生(前顧問)のことを慕って、今の顧問の先生を受け入れられないお前たちの気持ちも分かるけど、そしたら今の状態を招いているのはお前たち自身だよ。



まずはお前からだよ。


お前から顧問の先生と前に進まなきゃ。』





私は小さく頷く。





『それからね・・・』



先生が組んでいた腕も足もほどいて、少し前のめりになって私の顔を覗いてきた。

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