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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/06 23:48:13

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「いや、あの…」

あたしはビールを手にして、キューッと飲む。

「紅美ちゃん、言いかけてそれはズルいよ。ちゃんと言って?」

「……」

今度は。

あたしが、冷や汗だった。

こういうの言ったら…

またあたし…

…でも、観念して言う事にした。

想いを残すのは…やめとこう。


「沙都が世界に出て…みんなの沙都になっちゃうのが辛かったの。」

あたしがビールに視線を落としたままで言うと。

「え…っ…」

沙都は…すごく意外そうな声を出した。

「沙都は見ただけだと、可愛くてカッコ良くて…絶対すぐに人気者になっちゃうからさ。」

「…見た目だけだとって言うのが…ちょっと引っかかる…」

「だって、あたしが好きなのは、沙都の見た目だけじゃないもん。」

「……」

沙都が、じっ…とあたしを見てる。

「…な…何…」

あたしが眉間にしわを寄せて問いかけると。

「…あたしが好きなのは…って言ってくれたと思って…」

「……」

だって。

そりゃあ…

…好きだよ。


「…好きよ?ノンくんも海くんも…ついでに曽根さんも。」

あたしが笑うと。

「…え…っ。」

ふいに、抱き寄せられた。

「さ…」

「紅美ちゃん。」

「……」

「紅美ちゃん…」

沙都はギュギューッとあたしを抱きしめて。

あたしは…胸が苦しくなって…

「…沙都。あたし、あんたの大ファンだから。」

沙都の腕の中で…そう言った。

「……」

「沙都は…自分が行きたい所まで、ずっと歌って行けばいいんだよ…」

「…どこにいても、聴いてくれる?」

「うん。どこにいても、ずっと聴いてる。」

「…これからは、僕の作る歌をたくさん歌うよ。」

「ふふっ。楽しみ。」

「…紅美ちゃんのために、歌うよ。」

「……」

「ごめん。好きだよ。」

「…言ってる事がおかしいよ、あんた。」

あたしは沙都の胸から顔を上げて、沙都の頬をギュギュッと掴む。

「あいててっ…ははっ…そうだよね。好きなのにごめんって…駄目だな、僕。」

「沙都らしいけどね。」

沙都の腕を外して、あたしは座りなおす。

…ドキドキしてるの…バレたかな…


「…それ、可愛いね。ブレスレット。」

ふいに沙都があたしの左手首を見て言った。

「ああ…ノンくんが買ってくれた。」

「ノンくんが?」

「うん。沙也伽とノンくんも色違いで持ってる。」

「えー…いいな。」

沙都はあたしの手首を持って、ブレスレットを眺めた。

…触れると、まだ少し辛い。

普通の顔してるかな…あたし…


「紅美ちゃん…」

「ん?」

「僕の…どこが好き?」

「え?」

「見た目だけじゃないって…」

「……」

「そこ、教えて。僕の自信になるから。」

「……」

沙都は、ブレスレットに視線を落としたまま。

あたしは、沙都の手を持って言った。

「…どこって…言えないかな。」

「…どうして?」

「だって、あたしにしか分からない事だもん。」

「……」

「でも…沙都は沙都のままでいてね…って思う。」

あたしのその言葉に。

沙都は…ポロポロと泣き始めて。

「…僕…」

そう言ったきり…

何も言えなくなった。

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今日も私の現実逃避にお付き合いいただき、ありがとうございましたヽ(*´∀`)ノ
投票結果、もはやダントツ…ですね。
また明日書きます!
皆様、良い夢を(。-ω-)zzz

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