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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/06 23:03:22

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「あ。」

「あ。」

カプリで歌い終わって。

帰ってシャワーし終わって。

ビールを持ってリビングに入ると…

沙都が帰って来た。

「おかえり。今帰ったの?」

「うん。ただいま。みんなは?」

「ノンくんと沙也伽は、カプリのスタッフと飲んで帰るって。」

「紅美ちゃんは行かなかったんだ?」

「明日最後だから、今夜は早めに寝て体調整えとこうかと。」

「そっか。」

沙都は荷物を下ろすと。

「僕も飲もうかな。」

あたしの手元を見て言った。

…疲れてるんじゃないかな。

ここ三日、近くでライヴだったみたいだけど…

帰って寝るだけみたいな生活で。

あたし達が寝てから帰って来て、あたし達が起きるより早く出かけてるし。


「さっさとシャワーして寝た方が良くない?」

一応聞いてみると。

「たまには飲みたいし。」

沙都は笑顔。

…そうだよね。

あたしは冷蔵庫からビールを出して、沙都に渡す。

「ありがと。」

「曽根さんは?」

「事務所に寄ってる。グレイスに捕まってたから、遅くなるかも。」

「それは災難。」

「だね。」


沙都はあたしの隣に座って、乾杯のポーズをした。


「…ねえ、沙都。」

ついでだ。

ずっと聞きそびれてた事…聞いちゃお。

「ん?」

「今更なんだけどさ…」

「うん。何だろ。」

「あたしと海くんの事、どうして知ってたの?」

「……え?」

「あたしが、エマーソンのレコーディングでこっち来てた時…海くんと付き合ってた事。沙都、知ってるって言ってたよね。」

「……」

あたしがそう言うと、沙都は口を一文字に結んで…

ちょっと…冷や汗でもかいてるような顔になった。

「…ま、いっか。」

あまりにも沙都の顔色が悪くなりそうで。

明日の仕事に差し支えちゃまずい。と思って、やめた。

何で知ってたかなんて…今更いいか…

だけど…

あれだけは言っておこ。


「沙都、母さんに話してくれてたんだね。」

あたしがついてないテレビの画面を見ながら言うと。

「…何を?」

沙都はあたしの顔を覗き込んだ。

「本当は絶対バレちゃいけないことだって思ってたんだけど…母さん、すごく力強いこと言ってくれた。海くんから電話で相談された、海くんと母さんの秘密だって言ってたけど…あたし、海くんに聞いたら…俺は言ってないって。沙都じゃないかって言われた。」

「……」

「あたし、すごく救われた。帰った時…家では笑ってないといけないって思ってて…。だけど、母さんから『辛かったね』って言ってもらえてさ…」

「…でも、結局辛そうだったよね。」

「あたし、恋愛に向いてないんだよきっと。」

「…そんな事ないよ。僕が…」

「あ、ごめん。沙都、違う。沙都は何も悪くないから。」

あたしはビールを置いて、沙都に向き合う。

「あたしがさ…ちょっと、女になり過ぎた。」

「何だよそれ…紅美ちゃん、女の子なんだから、当然じゃん。」

「ううん。あたしと沙都のスタンスって…あたし、ちゃんと分かってたはずなのに。色々焦ったんだと思う。」

「焦った?何に?」

「……」

言った後で、しまった。と思った。

だけど、沙都の目は…ほら…

もう、何々?何なの?って…

好奇心満々な目…

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