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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/06 19:53:14

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歌いながら…ふと考えた。

僕…駄目だなあ。


ソロデビューしないかと言われて、最初は当然断った。

だって僕には…

紅美ちゃんの後でベースを弾く。

それしかない人生だと思ってたから。

それで満足もしてたし。


だけど…

グレイスに言われた。

「サト、あなたの声を待ってる人がいるのよ。」

僕の声を待ってる人がいる?

それって、どういう事かな。


「あなたの声と歌には癒しがあるわ。それを世界に届けるのよ。みんながあなたに救われるの。」

「……」

揺れた。

そして、惹かれた。

こんな僕に、そんな事ができるのかなって不安もあったけど…

夢を…

夢を見るって、誰かのためであってもいいんだよね?

今まで紅美ちゃんの後で…って思ってたように。

今度は、グレイスの言うように、誰かを癒すために…って。


でも、本当に僕にそんな力があるのかなあ?


半信半疑だったけど、グレイスが言うなら間違いない。って高原さんに推されたのもあったし…

それ以前に、もう…僕の中で…

自分を変えたいって気持ちも大きかった。


ずっと紅美ちゃんについて回るだけの…弱い男じゃなくてさ…

紅美ちゃんをグイグイ引っ張って行けるような…

世界の朝霧沙都になれるって言われて、いい気になったんだと思う。


僕は…音楽にのめり込んだ。

ソロって、こういう事なんだ?みたいに…戸惑う事も多かった。

忙しくて、辛い時期もあったし…毎日疲れ果ててたけど…

たまらなく充実感もあった。

一日が終わる時の、達成感みたいなのも…今まで味わった事がないぐらいだった。

だけど…

そこに紅美ちゃんの事は組み込まれてなかった…。


正直、紅美ちゃんの事…

何日か、忘れてたと思う。

考えられなかったって言うのもあるけど…

本当に、忘れてた。

メールが来てたのに、それを読むことさえ…


そして、僕はあの時思ったんだ。

プロポーズ、撤回しておいて良かった。って。

…酷いよね…


シェアハウスで、久しぶりの再会をした時も。

僕はノンくんに図星を突かれて…

それが痛くて。

紅美ちゃん、会いたかった。って言うより先に、部屋に逃げた。

…最低だよ…

紅美ちゃんから、本当はプロポーズ受けるつもりだったって言われた時も…

嬉しさより…驚きと戸惑いの方が大きかった。

結婚して連れて行きたい。

そう思った事もあるのに…

…それだけ僕は、思いつきで物を言っちゃうって事なのかな…


紅美ちゃんの事は大好きなのに…

抱きしめると安心するのに…

紅美ちゃんが正面から僕にぶつかって来ると…

僕は、どうしたらいいのか分からなくなる。

…ずっと、紅美ちゃんの背中を追って来たからなのかな…


紅美ちゃん、好きだよ。

そう僕が言うと。

紅美ちゃんは、優しく笑いながら…それに答えない。

僕は答えが欲しくて頑張った。

…だけどいざ…紅美ちゃんから言葉と共に気持ちをもらうと…

何だろう。

今までと違う安心感が芽生えて…

…これが俗に言う『釣った魚に餌やらない』なのかな…

なんて思った。


…紅美ちゃん。

僕、紅美ちゃんの事大好きだよ。

今も愛してるよ。

だけど…

紅美ちゃんは僕と結ばれると…

笑顔になれない。

…そう、気付いちゃったよ…


紅美ちゃん。


…どうか、幸せになって。


僕の紅美ちゃんが。

僕の紅美ちゃんじゃなくなっても…

僕は、紅美ちゃんが大好きだよ。


笑ってる紅美ちゃんが。

大好きなんだ。

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