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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/06 18:00:50

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「ちょっと待って待って。今の所さ…」

カプリに向けて。

あたし達三人は、スタジオで綿密にリハをしている。


最近やったハードな曲は、カプリには合わないよねって事で…

周子さんのトリビュートアルバムの中からと。

まだノンくんが入る前。

あたしと沙都と沙也伽でやってた、シンプルな曲。

それらから、いくつか選ぶことにした。


「何かちょっと足りないよね…鍵盤欲しい感じ?」

「じゃ、あたしが…って、ピアノの弾き語りは自信ないな。」

「カプリに専属のピアニストいたよな。あと、サックス奏者も。」

「あ。セッション?いいね。」

「早速頼んでみよ。」

ちさ兄にバレたら『準備が遅い!!』って叱られそうだけど。

あたし達は…毎日考えや構想が変わってしまってて。

それは…

沙都がいなくなった分を埋めるんじゃなくて。

新しいあたし達になろうとしてるからだった。


「紅美。」

みっちり打ち合わせして練習して。

さて、帰ろうか。って所で…ノンくんに声かけられた。

「何?」

「ちょっと、ここ寄って来てくれ。」

そう言って、ノンくんはあたしに紙切れを渡した。

「何?」

「買い物リスト。」

「ふーん。分かった。」

紙にはお店の名前と住所もある。


居残りするって言う沙也伽を置いて、あたしはノンくんに言われたお店へ。

結局、今回もノンくんが食事係をしてくれている。

前に渡米した時、最初は沙都と沙也伽がしてたけど…

何のことはない。

ノンくんは『やれば出来る男』なのを出し惜しみしてただけ。

ま、あたしの体調管理も兼ねてしてくれてるんだろうな…

もう大丈夫なんだけど、ノンくんはまるで…

「…親みたいだよ…」

小さく笑いながら、紙切れを眺める。

紙にはワインとか肉とか…

何だろ。

今夜は和食じゃないんだな。


書いてあるお店にたどり着いて…

あれ?

ここって…買い物するようなお店じゃない…よね?

あたしがお店の前で、紙切れと店の名前を交互に見てると。

「…紅美?」

呼ばれた。

振り返ると…

「海くん。あれ?仕事は?」

「終わったよ。最近はちょっと色々変わって来てるから、暇で仕方ない。」

「あはは。いいやら悪いやら…」

「まったくだ。で?買い物か?」

「うん。ノンくんに頼まれて。」

「…俺も華音に頼まれたけど?」

「え?」

顔を見合わせてると…

「ミスター二階堂?」

お店の中から人が出て来て。

「え?はい。」

「Happy Birthday!!」

クラッカーが鳴った。

「え。」

「あ。」

そうだ。

今日…海くん、誕生日だ。

何てことはない…お店はレストランで。

あたしと海くんには、席が用意されてた。

「…あいつめ…」

「カードがついてる。『俺、来週誕生日。よろしく』だって。」

「ははっ。じゃ、俺が華音と飯に行くかな。」

「ふふっ。それいいね。」


沙都と曽根さんはまた五日間、少し離れた街へライヴに出かけた。

「沙都から連絡があるんだって?」

海くんがワインを飲みながら言った。

「うん。笑っちゃう。」

「許してやったらどうだ?」

「許すどうこうじゃなくて…この方があたしが楽なの。恋はしばらくいいや。」

「そうか。」


普通に…

すごく楽しい食事だった。

海くんとは、恋とか…そういう感じはなくなってて。

昔みたいに…

仲のいいイトコって思える感じだった。


「あー、お腹いっぱい。」

「あいつも来れば良かったのに。」

「ほんとにね。」

二人で並んで歩いてると。

「紅美。」

「ん?」

「…頼むから…幸せになってくれよ。」

海くんがつぶやいた。

「……」

無言で海くんを見ると。

「俺が、そうしてやれなかった分…本当に…幸せになって欲しい。」

優しい目。

「…誕生日、おめでと。」

あたしは、ゆっくりと海くんを抱き寄せる。

…感謝のハグ。

「海くん、あたし…海くんとの事…一生大事に想うよ。」

耳元でそう言うと。

「…ああ。俺も。」

海くんは、あたしの背中を優しく抱き寄せて…そう言った。

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コメント2

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  1. ヒカリさん(99歳)ID:6581317・08/07

    スズさん
    自分の幸せを後回しって、何だかノンくんお年寄り気質(*´∀`*)

  2. スズさん(39歳)ID:6580898・08/06

    こんばんは〜

    ノン君は、いつになったら、自分も幸せになる事を考えてくれるのかなー

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