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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/06 10:44:50

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沙也伽が希世からあっさりと承諾を得て。

あたし達DANGERは、二週間ライヴをするために、三週間アメリカに滞在する事になった。

その間…ノンくんは当然…

そして、あたしと沙也伽も海くんの家にお邪魔する事に。

沙都と曽根さんは帰って来ないかもしれないけど…

それでもいい。


慎太郎が亡くなった事をメールしても、沙都から返事はなかった。

それで…それ以来、あたしも沙都に連絡をするのは辞めた。

少しずつ、あたしの中でも変化があった。

たった二ヶ月そこら離れただけで、どうしてこんなに不安だったのか…

色々考えた。


「いらっしゃい。」

「おう。世話んなるぜ。」

海くんが空港まで迎えに来てくれてて。

あたし達は車に乗り込んで、海くんの家に向かった。

「沙都とトシの荷物があるけど、帰って来ないから納戸に片付けてる。空いた部屋使っていいよ。」

「ははっ。帰ってきたらあいつら二人、納戸で寝ればいいんだ。」

他にも部屋はあるのに、なぜか二人の荷物は納戸に押し込まれてて。

『先生、さりげなくいじめっこ体質だよね』って沙也伽が笑った。


その夜は海くんが料理をしてくれて。

「華音に食わすのは勇気がいるなあ。」

って…

「二人の女子を目の前にして、よくもノンくんを選びましたね。」

沙也伽に目を細められて。

「ま、沙也伽の腕なんて大した事ねーからな。」

ノンくんがそう言うと。

「悔しー!!紅美!!この無駄に器用な男を蹴飛ばしてやって!!」

沙也伽があたしに泣きついて。

「分かった。」

あたしが笑いながらノンくんの座ってる椅子を蹴飛ばすと。

「うおっ…おま…やりやがったな…」

「あ。うそ。何もしないでよ。」

「先にやったのはおまえだ。」

プロレスが始まってしまって。

「相変わらずだな。」

海くんが沙也伽に首をすくめてみせた。


「食べてからにしてー!!」

あたしが足技決めながら言うと。

「あいてててて!!おまえが技かけてんじゃんかよ!!」

ノンくんは大げさに痛がった。

「だって、離したらやるでしょ!?」

「ったりめーだ!!」

「じゃ離せないよ!!」

「はっ…あいてててて!!離せ!!」

あたしとノンくんが騒々しく取っ組み合いをしてると。

「ははっ。相変わらず賑やかだな~。」

玄関口から、声がした。

「……」

「……」

その声に。

あたしとノンくんは固まった。

固まったままドアを見ると。

そこに…曽根さんがいた。

「よお!!キリ!!ニカ!!そしてみんな!!会いたかったぜ!!」

あたしと沙也伽は『みんな』って一括りか!!

ノンくんは立ち上がって。

「おまえ、何急に帰ってきやがる!!」

曽根さんを殴った。

…定番だけど…

いいがかり…だね。


「いってーな!!おまえこそいつ来たんだよ!!」

曽根さんが、ノンくんを殴り返す。

「今日だよ!!」

で、またノンくんが曽根さんに殴りかかる…

「いい加減にしとけよー。」

なんて言ってる海くんは、全然止める気配がない。

あたしは…椅子に座って…水を飲んだ。

曽根さんが帰って来たって事は…

「…ただいま…」

ドキ。

「…おかえり。」

海くんは穏やかに言ったけど…

「…てめぇ…」

ノンくんは、沙都に逃げる隙も与えなかった。

「何で電話の一つもよこさねんだよ!!」

そう言って…沙都を殴った。

てっきり…曽根さんにやるみたいに、冗談交じりなのかと思ったけど。

ノンくんは本気だった。


「うわー!!キリ!!やめてくれー!!顔はダメだよー!!」

慌てたのは曽根さんだ。

マネージャーだもんね…

「沙都くん、大丈夫か!?あ…あー…グレイスに叱られる…うわっ!!」

そんな曽根さんを跳ね避けて。

「おまえ、一日に一回でも飯食ってただろ。その飯食う前に一言『元気だ』って、なんでメールできねんだよ。」

「……」

「シャワーもしてたよな。その前に一言『会えなくて寂しい』って、なんで打たねんだよ。」

「……」

「なんで『愛してる』って一言、安心させてやれる言葉を出せねんだよ。」

「……」

沙都は…ずっと無言だった。

ノンくんの顔も見なかった。


「…ノンくん。」

あたしは座ったまま、顔だけを二人に向けて言う。

「そういうのが出来る人と、出来ない人っているんだよ。」

すると沙也伽が。

「…いるいる。」

同意した。

「沙都は夢中になる物があったら、他は目に入らないから…仕方ないんだよ。」

あたしがあっさりそう言って食事を再開すると。

拍子抜けしたのか…海くんとノンくんは顔を見合わせて…海くんは食事を始めた。

ノンくんはまだ何か言いたそうだったけど、沙都の胸から手を離して。

あたしの隣に座ると、静かに食べ始めた。

「…で…俺達は…晩飯を…どうすれば?」

曽根さんが遠慮がちに言うと。

「…僕は要らない。」

沙都はそう言って二階に上がろうとしたけど。

「あ、おまえらの荷物、帰って来ないと思って納戸に入れてる。」

海くんの言葉に引き返して、納戸に行くと。

「…空いてる部屋使わせてもらいます。」

誰とも目を合わさず、そう言って二階に上がった。

「……」

曽根さんは沙都の背中を目で追ってたけど。

「…みんな冷たいな。」

唇を尖らせて、仁王立ちした。

「冷たいか?」

ノンくん…あなたの声はとても冷たいです。

「だって、沙都くんすげー頑張ってるんだぜ?」

「じゃ、久しぶりの恋人との再会に、さっさと二階に上がる沙都はどう?」

沙也伽…あんたの声も冷たいよ…

「いや、まあそうだけどさ…」

曽根さんの困った声を聞きながら。

「ごちそうさま。」

あたしは食事を終えて、食器をシンクに運んだ。

「曽根さん、そこで食べて。」

「あ、ああ…ありがと…」

「あたし、ちょっと沙都と話して来るね。」

あたしがそう言うと、一斉にみんなの顔が上がった。

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