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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/04 15:39:41

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勘当されたって言ってたし。

うちに泊まれば?って言ったけど。

沙都は、ちょっと僕なりに考えたいから。と言って、事務所を出た。

あたしは…重い足取りで家に帰る。


あたし自身…

どうするの?

沙都と…結婚…するの?しないの?


結婚…したいの?


「紅美。」

家に帰ると、リビングに父さんがいて。

「話せるか?」

あたしを手招きした。

「うん…」

あたしの事、待ってたのかな…


「飲むか。」

「え?」

「正月だ。ちょっといい酒でも飲もうぜ。」

「……そうだね。」

父さんの言葉に、あたしは笑って答える。

すると、『早乙女家でもらった』なんて言いながら、父さんは食品庫から桐の箱に入ったお酒を持って来た。


あたしと父さんはグラスを合わせて。

「明けましておめでとう。」

「あ…まだだったよね。うん。明けましておめでとう。」

笑い合った。


「沙都の話、義兄さんから聞いたぞ。」

「…うん。」

やっぱ…この話だよね。

「沙都に…ついて行くのか?」

「…迷ってる。」

あたしは…海くんやノンくんの事は置いといて…

沙都との事だけを話した。

正直に。

色々回り道をしたけど、ちゃんと沙都を好きという気持ちがある事。

できれば…沙都を応援したい事。

だけど、バンドはやめたくない事。


「…紅美が家出した時…」

父さんは、ポツリと話し始めた。

「沙都は…そりゃあ必死で探してくれた。」

「…うん…」

「生い立ちを隠し続けて、それで紅美を傷付けてしまった。その結果、紅美に…ここに居辛くしてしまって、出て行く事を望ませたようなもんだ。俺達は、探さないと決めた。」

あたしには…今となってはだけど。

父さんは、一生…この事を苦しむのかもしれない。


「だけど沙都は…毎日毎日、おまえを探してくれた。」

「…そうだよね…」


幼稚舎の頃から、あたしの写真は沙都とのツーショットが多い。

あたしが初等部に上がった時、制服が変わったのと違う場所へ行き始めた事で、沙都は自分も初等部へ行くって大泣きしたんだっけ…

当然それは叶わなくて。

週末、泊まりに来るようになった。

沙都は学と双子みたいで。

周りからも…うちは三人兄弟だって思われてたかもしれない。

父さんは、沙都の事を学と変わりなく、息子みたいに思ってたし…

それでなくてもSHE'S-HE'Sの面々は、自分の子供とメンバーの子供、分け隔てなく…みたいな所があるから。

あたし達は、いつも大家族みたいな気持ちもあったと思う。


「紅美がいないとダメだった自分から、卒業したいのかもな。」

父さんは、小さく笑って言った。

「…あたしから、離れたいって事?」

「反対。紅美にくっついてた自分じゃなくて、紅美にくっついて来てもらえる自分になりたいんじゃないか?」

「……」

いつもあたしの後を追って来てた沙都。

それが…

反対になったとして。


あたしは…

沙都を追って行ける?


だけど…

自分の夢は…


その時。



どうしたらいいの…?

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