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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/03 18:38:18

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「沙都、い…痛い。」

沙都に掴まれた手が痛くて。

あたしは、廊下を歩きながら沙都に言った。

「離して。」

「…嫌だ。」

沙都はあたしの顔を見ない。

でも、力も緩めない。


あたしと沙也伽の部屋の前まで来て。

「…カードは。」

沙都が低い声で言った。

「……」

羽織ってたパーカーのポケットからカードキーを出すと。

沙都はそれでドアを開けて…

「な…」

いきなり。

キスして来た。

「ちょ…沙都…」

「みんな同じぐらい好きって…どうして…僕の事、もう嫌いになったの?」

沙都は今までになく…乱暴で。

あたしをベッドに押し倒すと。

「海くんに告白されて…嬉しかった?」

低い声で…そう言った。

「…何それ。」

「僕の目の前で、あんな事…あてつけにしか思えない。」

「…そうよ。あてつけよ。」

「……」

「だって、沙都は…あたしの気持ちなんて要らないんでしょ?自分が好きだったら、それで良かったみたいな言い方して。」

「違う。」

「何が違うの?言ったよね?あたしは、海くんかノンくんを好きだと思ってたって。何なの?あたし、沙都に好きって言ったのに、どうしてそんな風に言われなきゃいけなかったの?」

「紅美ちゃん。」

沙都はあたしの上に乗って、首筋に唇を押し当てた。

「…離して。こんなの、イヤ。」

「好きだよ。」

「イヤ、したくない。」

「愛してる…」

「…言い逃れのために、そんな事言わないで。」

「言い逃れなんかじゃない…紅美ちゃんの事、愛してる…」

「……」

「…さっきはごめん…僕、自分に自信がなかったから…」

沙都は、あたしを押さえ付けてた力をゆるめて。

「僕より、海くんやノンくんの方が男らしくて…大人で…だから、かなわないって思ってたから…」

小さくつぶやいた。

「…それでも…ショックだった…」

「…ごめん。」

沙都は切なそうな目で、あたしを見て。

「…紅美ちゃん…好きだよ。」

ゆっくりと…キスをした。

「沙都…」

「僕の事、好き?」

「…うん…好き…大好き…」

沙都の背中に手を回す。

「…ドレス、似合ってた…」

「沙都も、カッコ良かった。」

「バルコニーで…キスできなくて残念だったな…」

「…してくれなくて、悲しかった…」


沙都の手が、あたしの体を優しく触って。

懐かしい幼い手は、すっかり男の手だと思った。


「あ…っ…」

「紅美ちゃん…」

沙都。

あたし…

もう、ブレないよ。


小さな頃からずっとそばにいてくれた…

あんたの事…



大好き。



ずっと…

そばにいて。

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