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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/03 17:41:41

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その光景に…

あたしは少し泣きそうになってた。

紅美と先生が、プロレスしてる…。


先生への気持ちを、あんなに思い悩んで、消化したくてもできなかった紅美。

だけど、笑い合って別れたって聞いて…

本当に、それで良かったの?って思った。

それでも、沙都の頑張りもあってか…

紅美は沙都と寄り添う事が多くなって。

あたしとしては、不器用ナンバーワンのノンくんが…って思ってたけど。

まあ、紅美が選ぶなら…

沙都でも先生でもノンくんでも、応援しようとは思ってた。


だけど、どう考えても…まだ紅美は悩んでる。

だから、今は選ばなくていいんじゃない?

品定めしなよ。って言ったんだけど…


沙都に連れられてバルコニーに出た後から。

紅美の様子が激変した。

もう、何か忘れたいからはしゃいでる。

それでしかなかった。


「あいてててて!!」

「先生…本気で痛がってない?」

「プロレス技には免疫なさそうだからな。」

ベッドの上で、ノンくんは笑ってる。

…この男がまた…

ちょっと普通の人とツボが違うって言うかさ。

本当なら、ここ、妬いていいとこだよ?

大好きな紅美が、元カレとプロレスだよ?

密着だよ?

何なら抱き合ってるようにも見えるよ?

先生は痛がってるけど、嬉しそうでもあるもん。

なのに、ノンくんは…そんな二人を優しい目で笑ってんのよ。

何だかなあ…

もしや、先生もノンくんも、M?


「ニカ!!情けないぞ!!」

「そ…そんな事言って…!!あいーっ!!紅美!!いわっ言わないから!!」

曽根さんは大笑いしてるけど。

その向こうに…約一名。

かなーり…目が座ってる男がいる。


沙都。

あんた、バルコニーで紅美に何言ったの。


「あースッキリした。」

紅美はそんな事を言いながら、手を叩くような仕草。

うんうん。

発散しなよ。


「んじゃ、俺も告白すっかな。」

紅美があたしの隣に座りかけた瞬間。

今度は…ノンくんが言った。

「いつだっけな。ゴールデンウイークにオフもらった時か。」

「え?何々?聞きたい。」

あたしが目をキラキラさせると。

「な…何の話よ…」

紅美は、座りかけてたのに…やめた。

…あんた、結構どこそこで何かやらかしてんのね…


「ゲームしただけじゃん!!」

ノンくんが先を言ってないのに、紅美はノンくんに跳びかかった。

「うわっ!!」

「ちくしょー!!どいつもこいつもー!!」

「あはは!!いいぞーやっちゃえやっちゃえー!!」

あたしが盛り上げると。

「まだ何も言ってねーだろ!!あたっ!!いててて!!!」

うわ~…ノンくんの悶絶する顔っていい♡

…って思ってたけど…

「えっ…」

突然、形勢逆転。

ノンくんはかけられてた足技を、体をひねって外すと…

「どうだ。」

紅美を抱えてうつ伏せにして、背中に手を置いて得意げに言った。

「残念ながら、俺もプロレスは得意なんだよ。聖を餌食にしてやってたからな。」

ああ…いつもの悪魔の顔だ…

「キリ!!女の子相手に酷いぞー!!ニカみたいにやられてやれよー!!」

「いや…俺は本気でやられたし…」

「えっ、ニカ…マジで?」

「おまえもやられてみろよ…マジつえー…」

「…遠慮しとく…」

曽根さんと先生の会話に噴き出しそうになったけど。

あたしは紅美を応援する。

「頑張れ!!負けるな紅美!!」

そう言ってるあたしの横を、風が通った?

と思ったら。

「うわっ!!」

沙都が。

ノンくんをベッドから突き飛ばして。

「え…え?」

紅美の手を取って。

走って部屋から出て行ってしまった。


「……」

「……」

「……」

「飲もっか。」

あたしの言葉で、景色が動いた。


沙都が紅美を連れ出して。

部屋の中は…フリーズしてた。

ノンくんは沙都に突き飛ばされて、ベッドから落ちたままだったし。

先生は反対側の部屋のベッドで、何かの銅像みたいになったまま動かなかったし。

曽根さんも…口を開けて呆然としてたし。


「もう、二人とも…沙都の応援するなんてバカだねー。」

あたしはそう言って、グラスにお酒を注いだ。

「…別に沙都の応援をしたわけじゃない。」

ノンくんはそう言ってベッドに戻ると、サイドボードに置いてたグラスを持って、寝転びながらグラスをあたしの前に出した。

そのグラスにお酒を注ぎながら。

「ノンくんは、自分を引っ込め過ぎ。」

嫌味っぽく言うと。

「同感。」

曽根さんと…先生までがそう言った。

え?

何?

あたし、ついサラッと言っちゃったけど…

先生、ノンくんの応援もしてたの?


「別に沙都が気に入らないわけじゃないが…華音が紅美のそばにいてくれたらいいって思ってたのに。」

先生はそう言いながらゆっくり起き上がって、ノンくんと同じようにグラスをあたしの所に持って来た。

「…出しても引っ込めても、選ぶのは紅美だからな。別に俺はあいつが誰とくっつこうが、笑っててくれるならそれでいい。」

「…意外とお人好しだよね…ノンくん。」

「意外とって何だ。」

「ほんと…バカがつくぐらいのお人好しだ。」

「曽根に言われるとムカつく。」

「じゃ、俺が言う。バカがつくぐらいのお人好しだ。」

「…ま、海に言われるなら仕方ないか。」

「何でだよキリ!!」

「…飲もう!!旅の最後は、みんなで笑っていようよ!!明日のために、今日は飲もう!!」

あたしがグラスを上げると。

「サンキュ、沙也伽。」

ノンくんはそう言って、あたしにグラスを向けて。

「同じく。」

先生も、そうした。

「じ…じゃあ、俺も…」

曽根さんは無理矢理っぽかったから。

「曽根さんは別にいいや…」

そう言って乾杯を拒んだら。

「みんな、俺にだけ冷たい…!!」

曽根さんは、大げさに泣くふりをした。


…今日は、部屋に帰れないなー。

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