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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/03 09:56:41

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「ったく…」

ノンくんはブツブツ言いながら、あたしの髪の毛を梳いている。

「…だって、居るから…」

「頭にはタオル巻いてんのに、何で体には何も巻かないかな。」

準備万端な沙也伽は、そう言って笑った。

「沙也伽だって、裸で出てくるじゃない。」

「まあ、そうだけど。」


…そりゃあ…

ノンくんには…何度も裸を見られた。

事も、ある。

でも…あの時と今じゃ、状況が…


「もう少し上向け。」

後ろから顎を持たれて、少し汗をかきそうになった。

ああ…早く終わらないかな…


「よし。終わり。」

あたしの髪の毛には…

深紅のミニバラの髪飾り。


「…ありがと。」

お礼を言って、立ち上がる。

「…いつにも増して大きいな。」

「ヒールあるから。」

180cmぐらいかな。

「でも、ノンくん並んでて違和感ないよ。」

沙也伽にしてみれば…何の気なしに出た言葉なんだろうけど。

「…ま、沙都が一番釣り合うな。あいつ余裕ででけーし。」

ノンくんはそう言って、ドアに向かった。

「じゃ、7時にな。」

「はーい。ありがとー。」

沙也伽が手を振る。

あたしは…何だか力が抜けちゃって。

そのまま、ベッドに座った。

「…どした?ん?」

それに気付いた沙也伽が、あたしの隣に座る。

「……」

大きく溜息をつくと。

「…ノンくんと沙都の間で揺れてんの?」

沙也伽は、足をぶらぶらさせながら、あたしの顔を覗き込んだ。

「…分かんない。」

「分かんないとは?」

「自分の気持ち。」

「ほう。」

「…もう、しばらく恋はいいって思ってたのに…」

頭を抱えそうになって…耐える。

せっかくセットしてもらった髪の毛、くしゃくしゃにはしたくない。


「…そうだよね。みんないい男だし、みんなダメ男だもんね。」

沙也伽の言葉に小さく笑う。

もう、バレバレだよね…


「いい男で、ダメ男なの?」

「そうじゃない?可愛いけど頼りないのとか、器用なんだけど不器用なのとか、大人なのに今頃青春なのとか。」

「…海くんも入れるの?」

「入っていいんじゃない?」

「……」

「紅美。」

沙也伽はあたしとの距離を少し詰めると。

「よく分かんないけどさ…三人とも好きなら、それでいいんじゃない?」

眉間にしわを寄せて言った。

「…え?」

今、沙也伽…

問題あるような事…言ったような…

「好きなら三人好きでいいんだよ。誰とも仲良くして、抱き合ったりキスしたりすればいいじゃん。」

「な…何言ってんの?三股しろって事?」

「うーん。おおまかに言うと、そうね。」

「……」

口を開けたまま、沙也伽を見つめた。

「だって、紅美は結婚してるわけじゃないんだから、恋愛は自由だよ。」

「…自由って言っても、三股なんてほどがあるわ。」

「そうかな。だって、付き合ってみなきゃ分かんない面もあるわけでしょ?上辺だけじゃ知れない事とかさ。」

「そうだけど…」

でも。

あたしは…

もう、だいたい知ってるよ、沙也伽。

ごめん。

ノンくんとの事は、話せなくて。

でも、なんとなーく…バレてるよね?


「誰か一人にしなきゃ。って考え過ぎるから、分かんなくなるのよ。」

「……」

何だろ。

この…妙に説得力のある言葉。

「真正面からだけじゃなくて、側面から見てみると違ったりするじゃん?」

「…側面…」

「今誰かが一歩リードしてるとしてもさ、そいつを正面から見るなら、別の人を側面とか裏側から見たり。」

「…よく分かんないような…分かるような…」

「ま、とにかくさ。」

沙也伽は立ち上がって髪の毛のアイビーを指で触れると。

「迷ってる間は、決めるなって事なのよ。」

あたしの正面に立って。

「じっくり品定めしちゃいな。」

あたしの顎に、指を立てて言った。

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