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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/02 18:15:51

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「紅美ちゃん。」

僕が声をかけると、一人でベンチに座ってた紅美ちゃんは。

「大丈夫?」

僕の顔を覗き込んだ。

「あ…うん。」

僕は…バッティングセンターで…

空振りしまくって。

カッコ悪くて。

紅美ちゃんがホームラン打った後、それに触発されたノンくんがホームラン…

海くんも、コツを掴んでホームラン…

そして、曽根さんまでが…ヒットを打った。


「上手い上手い。」

紅美ちゃんに褒められてるみんなを見たら、僕だって…って。

頑張ったつもりだけど…

ガギッ。

僕のバットは…鈍い音を立ててボールに当たって。

「いって!!」

ボールは…僕の顔に当たった。


「…大した事ないよ。」


みんなが。

「おまえの顔は大事なんだぞ‼︎」

って、すぐ冷やしてくれて。

今は…腫れてもないし、痛みもない。

少し赤くなってるけど、全然平気。

だけど…

カッコ悪さに打ちひしがれた。


「打てなかったぐらいで落ち込まないの。」

隣に座ると、紅美ちゃんはそう言って笑った。

「…カッコいい所、見せたかったのに。」

僕が小さくつぶやくと。

「そんなの、いつも見せてくれてるじゃない。」

紅美ちゃんが、さらりとそんな事を言った。

「……」

そんなの、いつも見せてくれてるじゃない…?

え?

それって…

「…僕の事、カッコいいって思ってくれてる?」

紅美ちゃんの表情を覗き込むように問いかけると。

「え…」

紅美ちゃんは…少し赤くなった。

……ドキドキしてる。

僕、今、すごく…

ドキドキしてる!!

だって、紅美ちゃんが!!

僕の事、カッコいいって思ってくれてた!!


「…嬉しいな…」

小さな声でつぶやいて、ベンチにある紅美ちゃんの手に、僕の手を重ねた。

「……」

「……」

何か…

何か話したいけど…

「沙都ー。」

ビクッ!!

後ろから沙也伽ちゃんの声がして、僕と紅美ちゃん、二人して肩を揺らして驚いてしまった。

慌てて手を離して…ちょっと、振り払った感じになってしまったよ…

ああ…バカな僕…

紅美ちゃんは…無表情…

「あ、いたいた…あ、紅美も…」

「な…何?」

「ノンくんが探してたよ?」

「あ…うん。分かった。ありがと。」

僕は沙也伽ちゃんにお礼を言って。

「…じゃ…」

紅美ちゃんに言った。

紅美ちゃんは…無言で、口元を少し笑わせただけだった。


…何やってんだろ…僕。

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