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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/02 16:00:44

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Lipsの二次会。

最近ずっと22時までに寝る生活をしてたからか、途中で眠くなったあたしは…

「ごめん。眠いや。あたし、先に帰っていいかな。」

席を立った。

すると…

「ああ…沙都、送ってやれ。」

「え?」

あたしと一緒に帰ろうと、席を立とうとした沙也伽を押し避けて。

ノンくんが沙都に言った。

あたしは…その時。

なんで?

って…

思わなかった。

沙都に送って欲しい。

そう思ったんだと思う。


「え…と、僕?」

「ああ。沙也伽は久しぶりの夜更かしが楽しそうだからな。」

ノンくんにそう言われた沙也伽は。

なんで分かるの!?この男!!

みたいな顔して、あたしを見た。

「…でも、沙都も楽しそうだけど。」

一応…言ってみたけど。

「いいよ。送ってくよ。」

沙都は笑顔で立ち上がった。

「じゃあねー。」

手をヒラヒラさせる沙也伽。

「お疲れ。」

ビールを飲みながら、低い声のノンくん。

二人に手を振って、あたしと沙都は『Lips』を出た。


「寒いね。」

あたしが首をすくめると。

「はい。」

沙都が…あたしの手を握って、自分のコートのポケットに入れた。

「……」

すごく…さらっとそうされて。

なんて言うか…

甘えたくなった。

少し距離を縮めると、沙都は嬉しそうに。

「紅美ちゃん、寒いでしょ。もっと寄っていいよ。」

優しい声で言ってくれた。


…最近、ずっと闘ってる感じだったからか…

沙都の優しさは、すごく嬉しかった。

嬉しかったし…以前とは違う包容力を感じた。

沙都、いつの間にか大人になったんだな…って。

ちょっと…照れくさい気もした。


「送ってくれてありがと。」

アパートについてそう言うと。

「風邪ひかないようにね。」

沙都は赤い鼻をして笑った。

「もう一度お店に戻るの?」

「ううん。今日はもう帰るよ。」

「じゃ、お茶飲んでく?」

「…いいの?」

「いいよ。」

あたしは…沙都の赤い鼻を見て。

寒そうだなって思って…そう言ったに過ぎなかったけど。

これが…

そうなるキッカケ…だよね。


「紅美ちゃん…」

お茶を飲んで。

ライヴの話をして。

沙都の歌の話をした。

歩いたせいか、眠気はおさまってて。

沙都と二人で、こんな風に話すのは…本当に何年ぶりだろうって。

すごく、楽しかったし…和んだ。


なんで、そうなったのかな。


「沙都…」

久しぶりのキスは…

懐かしいっていうより、新鮮だった。

沙都の唇。

もう、何度も何度もキスして、形さえ覚えてたはずなのに。

知らない人みたいだった。

…ううん。

知らない、男。みたいだった。


「あっ…」

ソファーで。

あたし達は…何年かぶりに…寝た。

沙都の背中に爪を立てて。

何度も…果てた。


沙也伽が帰って来たらどうしよう。

なんて…

そんな気が回らないぐらい。

あたし達は、抱き合った。


沙都…

どうしよう…

あたし、ヤバいかも。


あんたの事…


すごく好きかも。


そう思ったけど、言えなかった。

だけど、言わないでいると…雰囲気に流されただけって思われる。

…そう思われたくない。

ちゃんと、沙都の事好きだ。って…

口に出して言いたい。


「沙都…」

「紅美ちゃん。」

あたしが言いかけたその時。

沙都が言った。

「ごめん…」

…え?

「…なんで…謝るの?」

「だって…」

「……」

沙都に謝られた事が…少しショックで。

つい、黙ってしまった。


「この事…誰にも言わないでくれる?」

次に沙都が出した言葉は、それだった。

誰にも…言うなって…

「いや、変な意味じゃないよ。ただ…すごく僕…今、紅美ちゃんに悪い事したって思ってるから…」

「悪い事?」

「お互い酔っ払ってるし…それに…ちょっとつけ込んだ感じも…」

「……」

何となく、何も言えなかった。

あたし、沙都とはどうでもいい感じでは寝ないよ。

そう言いたかったけど…

…海くんの事やノンくんの事…

沙都は、そこを気にしてるんだろうな…って思うと。

「まあ…こういうの、人には言わないよね。」

力ない声で、そう言うしかなかった。


だいたい、昔バレてたのも…

沙都がみんなに聞かれて口を割ったからだ。

…ま、あたしも聞かれたら答えてたけど。


「じゃ、また。」

「うん。おやすみ。」

「…紅美ちゃん。」

「ん…?」

「……」

ゆっくりと唇が来て。

もう…何度目?って思うぐらい、ドアの外から離れられないあたし達…

だけど…ドキドキしてる…あたし。

「…これじゃ、なかなか帰れないね。」

「ふふ…風邪ひかないうちに、帰ってよ。」

「ほんとだ。じゃ…」


沙都を見送って、シャワーを浴びた。

さっきまで…沙都に触れられてた肌…

沙都と寝た事は後悔してないけど…


この、胸に残るモヤモヤした物は…


なんだろう。

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