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いつか出逢ったあなた

登場人物全員が主役。スピンオフだらけの妄想恋愛小説。(大半がなんちゃってバンド系)

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テーマ:小説 > 恋愛

2017/08/02 12:14:01

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カプリでの打ち上げの後。

明日はオフだし…って事で、珍しく四人で二次会に繰り出した。

グレイスからも誘われてたんだけど、ノンくんが四人で反省会をするからって断った。


「へー…なんか、懐かしい感じがするお店だね。」

ノンくんが連れて来てくれたのは、『Lips』っていう古いお店だった。

「昔、ライヴバーだったんだってさ。」

そう言われると、こじんまりとしたステージがある。

今ではそこに、マネキンが五体。

怪しい格好をさせられて立っている。


「ノンくん、いつこういうお店に来てたの?いつも真面目に家に居たと思ってたのに。」

沙都がキョロキョロしながら問いかけると。

「ばーちゃんが連れて来てくれたんだよ。昔、ここで歌ってたんだってさ。」

「えっ?」

あたし達三人は、同時に声を上げた。

「…さくらばあちゃんって、謎の多い人だよね。昔どれだけアメリカで活動してたんだろ…」

「昔の話聞くと、刺激されまくるぜ。」

「ふうん…あたしは聞いた事ないなあ。」

あたしが少し拗ねた口調で言うと、ノンくんは小さく鼻で笑った。

「とりあえず、今夜のライヴは気持ち良かったし、次も頑張ろ?」

沙也伽がグラスを上げて言うと。

「紅美、体調管理怠るなよ。乾杯。」

ノンくんがそう言って。

「そんな乾杯って…乾杯。」

「ほんと、しっかりしてよ?乾杯。」

「う…頑張ります。乾杯。」

みんな、グラスを合わせた。


「それで…これからなんだけどさ。」

一口飲んだ後に、ノンくんが言った。

「うん。」

「予定より半年も早いが、年内に帰国しろってさ。」

「えっ!?」

これまた…三人で同時に声を上げた。

「ね…年内って、あと一カ月しかないよ?」

「思ったより売れたのと、ちゃんとデビューしたのと…あと…」

「あと?」

ノンくんは少し考え事をしてるような顔になって…

「…DEEBEEが、今ちょっともめてる。」

溜息交じりに言った。

「…え?」

それには、沙也伽が一番戸惑った顔をした。

「希世からは何も?」

「毎日電話してるのに…何も聞いてない…」

「そっか。心配かけたくなかったんだろうな。ま、ライヴも終わったし…たぶん、その内言うだろう。」

「もめてるって、どういう事?解散とか…?」

「いや…解散はないと思うけど…」

「誰か脱退するの…?」

「…方向性ってのは、音楽やってると変わってくる事もあるからな…」

「……」

方向性…

そっか…

DEEBEEの誰かが…目指してる物が変わってしまったって事…か。

同年代って事もあって、すごく刺激されてたのに…

…誰なんだろう。


「ま、そんな事もあって、年内に帰国だ。こっちで思い残す事がないように。」

ノンくんの言葉は、何となく意味深に聞こえて。

沙也伽がチラリとあたしを見る。

思い残す事…


「じゃあさ。」

あたしは、思い切って提案した。

「曽根さんもいる間に、みんなで旅しようよ。」

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