とおく  ゆらぐ

拙いながら、過去の記憶の残骸を混ぜながら綴っています。フィクション率は85%・・・

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テーマ:小説 > その他

2017/08/01 10:21:37

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お茶と、お菓子と、雑誌を囲んでいた。
ページをめくった舞が
「この映画、観たいー!お金無いけど」と、
宣伝を指差し、チラッとお母さんを見る
「母さんも無いよ、お金。
そしてこの映画は別に、興味ないわー」
「えー!この主演の人、母さんも好きじゃん!」
「ああ、この人の歌う歌はね!」
お母さんはニヤッと笑うと、そのまま歌い出す。
「わああああジャイアン~~!やめて~~!
ジャイアン級な音痴~~‼‼」
舞とお姉さんが耳を塞いで、ジタバタと悶える。
私も声を出して笑った。





毎日、母と二人の時は

「学校は、どう?」
「楽しいよ。」
「勉強は、どう?」
「うん、頑張ってる」
「そう・・・」
・・・・・・・・・・・・
「光は何時に帰って来るのかしら」
「いつもどうり、じゃないの?」
「学校が遠くて可哀想ね」
「・・・」
「光、偉いわよね、本当に」
「・・・うん、お兄ちゃんは、凄いね」
「そうね」
ニコニコ ニコニコ。

大体、このパターン。

たまに、私の学校の行事やプリントの話、
「お母さん、明日は病院だからね」
みたいな連絡。

これが普通だから、仕方ない。
他所の家とは違う。
いや、舞の家が特別なのか?
私にはわからない。




静かな家の中で
ニコニコと、穏やかで、優しい母。

病気になるまでは、それでも
もっと甘えられたし、
もっと近かった。


どうして、病気になったんだろう。

兄の言っていたお葬式って・・・

ぼんやり、考えてしまう。

でも考えてもわからない。
わからないことは、考えない。



舞の家でも、他でも、
家族の話は聞かれた時以外には、
自分からは絶対にしなかった。

「実乃梨ちゃんのおうちはどう?
お母さんはお仕事してるの?
舞みたいに、兄妹喧嘩はする?」
最初のころ、舞のお母さんに家族の事を聞かれた。
「いえ・・・うちは、あんまり・・・」

答えにくそうな私に気付いたのか、
それからは何も聞かれなかった。
ただ優しく
「うちはいつも喧嘩したり喋っていたりで、
うるさくてごめんね」
と、私の頭を撫でた。

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