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とおく  ゆらぐ

拙いながら、過去の記憶の残骸を混ぜながら綴っています。フィクション率は85%・・・

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テーマ:小説 > その他

2017/07/31 18:58:49

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舞と仲良くなったばかりの頃、

舞の家によく遊びに呼んで貰うから・・・と、
私も家に舞を呼ばなきゃ・・・!と思った。

もう何年も、
お兄ちゃんの邪魔になるから
お兄ちゃんが受験だから
と、家には友達を呼んではいけなかった。

でも、受験は終わったし。

なにより、兄が家にはいない時間に、だし。


ある日の私は夕食の時、思いきって母に話してみた。

「お母さん」
「なあに?」
ニコニコ、優しい母の声。
「今度ね、友達を家に遊びに呼んでもいい?」
「あら、ダメよ。光の勉強の邪魔になるでしょ」
ニコニコしながら、答えは素早かった。

「お兄ちゃん学校でしょ。
部活で帰って来ない時間だよ?」
「でもね、試験前や部活の無い時は帰って来るのよ」
ニコニコ 
笑顔に、イライラした。
「お兄ちゃんが帰って来ない時だけでいいから!
どうしてダメなの?」
「・・・・・・」
思わず、興奮して口調が激しくなってしまった。

「私、ずっと友達呼ばずに我慢してたのに!
どうしてダメなの?
お母さんは、どうしていつもお兄ちゃんの・・・っ」

そこまで口にして  ハッとした。




母が、また、固まってる。・・・

無表情に、静かに、冷ややかに

「・・・」

こうなると、私だけじゃ、どうにもならない。

「・・・」


小さく、諦めの溜め息。

食べかけのご飯を一人で黙々と、
味のしなくなったご飯を黙々と、
時間の止まった食卓で
機械的に食べた。

母は無言のまま、私を見ない。
かすかなテレビの音が無かったら、何か
何かが、膨らんで、膨らんで
破裂してしまいそうだった。

「ごちそうさまでした。・・・

お母さん、ごめんなさい。
もう友達呼ぶなんて言わないから。」


動かない母に、小さく声だけをかけ、
自分の食べ終えた食器を片付けた。

そのまま自分の部屋に戻った。

階段を上りながら、涙がじんわり沸いてきて
見える景色はぼんやり歪む。


兄が帰宅すれば、母はまた落ち着くだろう・・・





翌日、誘ってくれる舞に、謝った。

「ごめんね、いつも家に読んでくれるのに・・・
うち、お母さんがダメって言うの・・・」


私の家で遊べないせいで、離れた友達もいた。
だからなるべく、公園や外で遊べる友達ばかりを
選ぶようにしていた。
ずっと。


舞は笑って「なんだ!そんなのいーよ!
だって家の方が面白いじゃん?
ゲームあるし、姉キの物もあるし」
「うん・・・うちは、ゲームも漫画も無いし・・・
・・・ごめんね。」
「いーのいーの!
うちの母さんさ、パートから帰って
私がいる方が、安心するんだってさ!」
「・・・そう・・・、なんだ。」

そう言って貰えて、

舞が離れていかないってわかって、
ホッとした。

ホッとしたけど、何か
胸の奥が、キュウッとしぼむ感覚


これは、
羨ましさ なんだ。
妬ましいわけじゃない。

いいなぁ・・・って、純粋に羨ましい。

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